余事象
ある事象の確率を計算するとき、余事象が役に立つことがあります。事象 A の余事象とは、起こりうる結果のうち、事象 A に含まれないものすべてからなる事象
定義
試行と事象の定義は、確率の記事で説明しています。簡単に復習すると、試行とはたとえばさいころをふることです。起こりうるすべての結果の集合(全事象)は、さいころなら U = {1, 2, 3, 4, 5, 6} です。事象は U の部分集合で、たとえば「奇数の目が出た」、つまり A = {1, 3, 5} のようなものです。
事象 A として、引き続き「奇数の目が出た」、つまり A = {1, 3, 5} を考えると、その余事象は事象
集合の言葉で言うと、U = {1, 2, 3, 4, 5, 6} で、事象が A = {1, 2}(「3より小さい目が出る」)なら、
余事象の確率については、簡単な関係が成り立ちます。事象 A の確率が25%なら、事象
例題
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2つのさいころをふるとき、6の目が2つそろわない確率はいくつでしょうか。確率の記事で、2つのさいころの目の出方は全部で36通りあることを計算しました。ここで、そのうち6の目が2つそろわないものがいくつあるかを数える方法もあります。しかし、逆から考えることもできます。6の目が2つそろう組がいくつあるかを数え、その事象の確率を計算して、それを1からひくのです。
6の目が2つそろう組は (6, 6) の1つだけなので、この事象 A の確率は次のとおりです。
余事象
、つまり事象「6の目が2つそろわない」の確率は、次のようになります。 -
3つのさいころをふるとき、少なくとも1つは6の目が出る確率はいくつでしょうか。この問題も直接解くことができ、6の目が1つ、2つ、3つ出る順列をすべて書き出すこともできます。しかし、遠まわりのようでいて楽な方法として、余事象、つまり事象「6の目が1つも出ない」を計算することもできます。まず、目の出方が全部で何通りあるかを計算します。さいころは3つで、どのさいころでも1から6の目が出るので、全部で 63 = 216 通りです。
次に、6の目が1つも出ない場合を数えます。どのさいころでも1から5の目が出なければならないので、6の目を含まない場合は全部で 53 = 125 通りです。あとは式に代入するだけです。
これが事象 A、「6の目が1つも出ない」です。知りたいのは余事象「少なくとも1つは6の目が出る」なので、式に代入します。
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数学の試験で、学生が30問の中から3問を引きます。そのうち10問が代数、15問が解析、5問が幾何です。少なくとも2問が同じ分野になる確率はいくつでしょうか。この問題も、余事象を使って解くほうが簡単です。余事象は、「学生がそれぞれの分野から1問ずつ引く」という事象です。
まず、学生が引ける3問の組が何通りあるかを計算します。それには組合せが必要です。全部で30問あり、そこから3問を引きますが、順番は関係ありません。組合せの数は次のとおりです。
次に、学生がそれぞれの分野から1問ずつ引く場合は何通りあるでしょうか。積の法則から、全部で 10 · 15 · 5 = 750 通りです。最後に、確率の式に代入します。
しかし、知りたいのは余事象なので、結果を1からひくだけです。
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