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合成関数

関数1つだけでは、できることはあまり多くありません。そこで、関数どうしを組み合わせる「合成」を考えます。

考えるきっかけ

2つの関数があるとします。1つは、ガソリンの量から車が走れる距離を計算する関数です。車はガソリン1 Lで10 km走るとしましょう。この関数を f とし、f(x) = 10x と定めます。変数 x は、ガソリンが何Lあるかを表します。タンクにガソリンが6 L入っていれば、車はあと f(6) = 10 · 6 = 60 km走れます。

もう1つは、決まった金額でガソリンを何L買えるかを計算する関数です。ガソリンが1 Lあたり200円だとします。この関数を g とすると、g(x) = x / 200 となります。x は、ガソリンを何円分買うかを表します。1,000円あれば、g(1000) = 1000 / 200 = 5 L買えます。

では、5,000円分のガソリンを買うと、あと何km走れるでしょうか。

ここまでの関数は、どちらも計算の一部だけを受けもっています。ガソリンの量から走れる距離を計算する関数と、お金から買えるガソリンの量を計算する関数です。今度は、この2つの関数を合成する必要があります。

解き方

まず何Lのガソリンが買えるかを計算し、次に何km走れるかを計算する、という方法があります。やってみましょう。5,000円では g(5000) = 5000 / 200 = 25 Lのガソリンが買えます。そして、25 Lのガソリンで f(25) = 10 · 25 = 250 km走れます。

ほかに、関数を合成して解く方法もあります。お金の額を入力すると、走れる距離を出力する新しい関数 h を定めるのです。関数 h は、関数 f と g を使って次のように定めます。

h(x)=f(g(x))

このように定めた関数 h は、じつは最初の段落で計算したことをそのまま行っています。値 x、つまりお金の額が与えられたら、まず g(x) の値を計算します。これは、そのお金で買えるガソリンの量です。その結果の g(x) の値、この例では g(5000) = 25 を、さらに関数 f に入れます。こうして f(25) = 250 を計算します。

関数 h を直接表す式も求められます。関数 f の変数 x を、すべて関数 g でおきかえるのです。関数 f は f(x) = 10x なので、変数 x に式 x / 200 を代入します。こうして関数 h が得られます。

h(x)=10⋅(x200)

約分して整理します。

h(x)=x20

これで、関数 f と g を合成して、新しい関数 h ができました。この関数は、x 円分のガソリンで何km走れるかを計算します。さきほどと同じ5,000円を入れて確かめてみましょう。

h(5000)=500020=250.

結果は、前の計算と一致します。

複雑な関数の合成

関数 f と g が次のように定められているとします。

f(x)=sin⁡(x)⋅x2−4g(x)=x+1x−1+5

これらの関数を f(g(x)) のように合成してみましょう。関数 f の変数 x をすべて関数 g でおきかえます。念のため、かっこに入れておきます。

f(g(x))=sin⁡(x+1x−1+5)⋅(x+1x−1+5)2−4

逆の順に合成すると、次のようになります。

g(f(x))=(sin⁡(x)⋅x2−4)+1(sin⁡(x)⋅x2−4)−1+5

関数の合成には、丸の記号 f ∘ g を使います。困ったことに、この書き方は f(g(x)) の意味で使われることもあれば、g(f(x)) の意味で使われることもあります。この点では記号が少しあいまいなので、どちらの意味で使われているのか、いつも確かめるようにしましょう。なお、日本の高校数学(数学III)では、右側の関数を先に計算する意味で使うのがふつうです。

章: 関数とは, 変数が2つ以上ある関数, 合成関数, 関数のグラフ