平方根と累乗根
累乗根は、累乗の部分的な逆関数です。いちばんよく使うのは平方根で、自分自身とかけるともとの数になる数を求めます。
平方根
平方根には記号
はじめは、実数の平方根だけを考えます。平方根は次のように定義できます。
a の平方根と a の平方根をかけると、a になります。したがって、9の平方根は3です。3 · 3 = 9 が成り立つからです。(日本の教科書では、2乗すると9になる3とマイナス3をどちらも「9の平方根」と呼び、記号 √ はそのうちの正のほうを表します。この記事で「平方根」というときは、記号 √ で表す正のほうを指します。)
さきほどの式は、次のように書くこともできます。
これは、さきほどのかけ算を累乗を使って書きかえただけです。
ただし、この等式が成り立つのは、平方根の定義域に含まれる a だけです。負の数の平方根はとれないからです。正の数ならどんな数でも、そして0でも平方根をとれますが、負の数の平方根はとれません。なぜでしょうか。
−25 の平方根を求めたいとします。選べる数は、基本的に2通りです。正の数か、負の数かです。正の数を選ぶと、5 · 5 = 25 になります。25 にはなりましたが、ほしいのは −25 です。そこで −5 を選んでみますが、かけるとやはり 25 になります。要するに、負の数どうしをかけると正の数になります。正の数どうしをかけても同じです。−25 にするには −5 · 5 を計算しなければなりませんが、それはできません。符号がちがうだけとはいえ、異なる2つの数をかけることになるからです。したがって、負の数の平方根は求められません。
累乗根
式を2乗、3乗、4乗できるのと同じように、実数の3乗根や4乗根、さらに n 乗根も考えることができます。ふつうは、根号の左上に小さく数を書いて表します。
この書き方は、32の5乗根を表します。n 乗根は、n 乗を使って次のように定義します。
n に2を代入すると、さきほど定義した平方根になります。短く書けば、次のように定義することもできます。
平方根では2を書かなくてよいことになっています。つまり、次の2つの書き方は同じ意味です。
たとえば4乗根については、次の式が成り立ちます。
具体的な例を挙げます。
逆に、4 · 4 · 4 = 64 が成り立ちます。
負の数の累乗根
a が実数なら a2 はけっして負にならないので、負の数の平方根は存在しないことがわかりました。しかし累乗根では、2つかけるだけとはかぎりません。そのため、負の数の n 乗根が存在する場合もあります。どうなっているのでしょうか。
困ったのは、負の数を2つかけると正の数になることでした。−25 にするには、積 −5 · 5 が必要でした。では、負の数を3つかけるとどうなるでしょうか。はじめの2つの負の数をかけると、正の数になります。しかし、最後の負の数をかけると、また負の数にもどります。もう1つかけると(全部で4つ)、また正の数になります。
ここから、負の数を n 個かけると、n が偶数なら積は正、奇数なら積は負になることがわかります。このことから、n が奇数なら、負の数の n 乗根が存在します。例を挙げます。
累乗への書きかえ
累乗根は、簡単に累乗に書きかえられます。そのほうがあつかいやすいので、よくこの書きかえをします。次の関係が成り立ちます。
a の n 乗根は、a を 1/n 乗したものと同じです。これは、3乗根以上の累乗根をソフトなどに入力したいときにも役立ちます。累乗根を直接入力できないことはよくありますが、指数に分数を入れることならできます。4乗根のグラフをかかせたいときは、次の関数のグラフをかかせましょう。
いちばんよく使うのは、平方根の書きかえです。
累乗根の公式
累乗根は簡単に累乗に書きかえられるので、根号を含む式には、累乗の公式がそのまま当てはまります。したがって、次の関係が成り立ちます。
また、次の基本的な関係も成り立ちます。
根号の外に出す計算
根号の中の数の一部を根号の外に出すのは、根号を含む式を簡単にするための方法で、さきほどの公式の1つを使います。
根号の中の式を積に分解できれば、2つの根号に分けて書き、一方の根号をはずせることがあります。典型的な例は次の式です。
この式は、さきほどの公式を使って次のように書きかえられます。
ここで、4の根号をはずします。
正確な形のまま残したいときは、ふつうの数も同じように書きかえられます。例を挙げます。
計算ツール
累乗根を計算したいときは、累乗根の計算ツール 🧮が使えます。