✖

外積

外積(ベクトル積)は、空間の2つのベクトルの間の演算で、その2つのベクトルに垂直な新しいベクトルを与えます。日本の高校では扱わず、大学で学ぶ内容です。

外積とは

外積は、2つのベクトルの間で、しかも空間でだけ定義されます。内積と違い、外積の結果はまたベクトルです。ベクトル u→ と v→ の外積は、次の性質をもつベクトル w→ です。

|w→|=|u→|⋅|v→|⋅sin⁡α,

ここで α はベクトル u→ と v→ のなす角です。さらに、ベクトル w→ はベクトル u→ と v→ の両方に垂直です。向きは右手の法則(右ねじの法則)で決まります。内積と区別するため、外積には記号 × を使い、u→×v→ と書きます。

外積 u⃗ \times v⃗

図は外積 u→×v→ の例です。結果は、両方のベクトルに垂直なベクトル w→ です。空間で考えているので、ベクトル u→ と v→ は1つの平面上にあり、ベクトル w→ はその平面に垂直です。

一方のベクトルがもう一方の1次結合(実数倍)になっているとき、外積は零ベクトルになります。これは、2つのベクトルが同じ直線上にある場合です。少なくとも一方が零ベクトルなら、外積も零ベクトルです。

外積の成分の求め方

ここまでで、外積のベクトルの大きさと向きは求められるようになりました。しかし実際には、そのベクトルの成分が直接わかるほうが便利です。式そのものは次のとおりです。

u×v=(u2v3−v2u3,u3v1−v3u1,u1v2−v1u2)

この式はなかなか覚えにくいので、覚えるための工夫があります。

外積の覚え方

この表を使えば、ベクトルの外積がきれいに計算できます。例として、ベクトル u→=(4,0,0) と v→=(0,5,0) を考えます。それぞれ x 軸上、y 軸上にあるベクトルです。外積は次のようになります。

u→0040v→5005u→×v→0020

外積のベクトル w→ の成分は (0, 0, 20) です。結果が正しいことは、最初の定義で確かめられます。定義は次のとおりでした。

|w|=|u|⋅|v|⋅sin⁡α,

ベクトル w→ の大きさは20です。したがって、式から次が成り立つはずです。

20=|u|⋅|v|⋅sin⁡α

代入します。

20=4⋅5⋅sin⁡90∘=20⋅1=20.

何の役に立つのか

外積を使えば、2つのベクトルに垂直なベクトルを求められます。本当にそうなっていることは、内積で確かめられます。結果は0になるはずです。前の例で確かめてみましょう。

u→⋅w→=4⋅0+0+0⋅20=0v→⋅w→=0+5⋅0+0⋅20=0

ほかの使い方として、空間の平行四辺形の面積の計算があります。空間に平行四辺形 ABCD があり、辺 AB と AD が表すベクトルをそれぞれ u→ と v→ とすると、平行四辺形の面積は S=|u→×v→| です。空間に三角形 ABC があり、辺 AB と AC が表すベクトルをそれぞれ u→ と v→ とすると、面積は S=12|u→×v→| です。

例:3点 A(1, 0, 3)、B(5, 6, 8)、C(3, 5, 4) を頂点とする空間の三角形の面積を求めなさい。

まず、ベクトル u→ と v→ を求めます。

u=B−A=(4,6,5)v=C−A=(2,5,1)

次に、外積を計算します。

w→=u→×v→=(−19,6,8)

さらに、その大きさを求めます。

|w→|=(−19)2+62+82=461≒21.47

最後に、結果を2で割ります。

S(△ABC)=21.472=10.735

章: ベクトル, ベクトルの演算, 内積, 外積