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2直線の位置関係

平面上の2直線の位置関係は、全部で4つに分けられます。2直線は、平行であるか、1点で交わるか、垂直であるか、一致するかのどれかです。

方程式から位置関係を調べる

2直線の方程式がわかっているときは、その2つの方程式を連立させて解くだけです。起こりうるのは次の3つの場合です。

  1. 連立方程式が解をもたない:2直線に共有点がないので、2直線は平行です。
  2. 連立方程式の解がただ1組:2直線の共有点(交点)がちょうど1つなので、2直線は1点で交わります。
  3. 連立方程式の解が無数にある:2直線の共有点が無数にあるので、2直線は一致します。

この方法では、2直線が垂直かどうかはわからないことに注意しましょう。

2直線の3つの異なる位置関係

図には、平行な直線 a, b、1点で交わる直線 c, d、一致する直線 e, f があります。

例題を見てみましょう。

  1. 方程式 p: −x + 3y − 5 = 0 と q: 2x + 3y − 17 = 0 で表される直線 p と q の位置関係を調べなさい。2つの方程式で連立1次方程式をつくり、これを解きます。

    −x+3y−5=02x+3y−17=0

    1つ目の方程式の両辺に2をかけます。

    −2x+6y−10=02x+3y−17=0

    2つの方程式を足します。

    −2x+6y−10+(2x+3y−17)=0

    あとの変形は簡単です。

    −2x+6y−10+(2x+3y−17)=06y+3y−10−17=09y−27=0y−3=0y=3

    さらに x を求めます。たとえば y = 3 を方程式 −x + 3y − 5 = 0 に代入します。

    −x+3y−5=0−x+3⋅3−5=0−x+4=0x=4

    連立方程式の解はただ1組、x = 4, y = 3 です。つまり、2直線は1点で交わり、その交点は X(4, 3) です。図は次のとおりです。

    直線 p と q

  2. 方程式 p: 2x + y − 8 = 0 で表される直線 p と、次の媒介変数表示で表される直線 q の位置関係を調べなさい。

    x=5−ty=2+2t

    この場合は、直線の方程式の一般形が1つと、媒介変数表示が1つあります。一般形の x と y に媒介変数表示の値を代入して解きます。つまり、一般形の x に媒介変数表示の右辺を代入し、y についても同じようにします。すると、方程式が1つ得られます。

    2x+y−8=02⋅(5−t)+(2+2t)−8=0

    あとはいつもどおりに方程式を変形します。

    2⋅(5−t)+(2+2t)−8=010−2t+2+2t−8=012−8+2t−2t=04=0

    方程式は解をもたないので、2直線は共有点をもちません。したがって、直線 p と q は平行です。図は次のとおりです。

    直線 p と q

  3. 方程式 p: 3x + y − 10 = 0 と q: −9x −3y + 30 = 0 で表される直線 p と q の位置関係を調べなさい。2つ目の方程式が1つ目の方程式の −3 倍であることはひと目でわかるので、2直線は一致するはずです。しかし、計算してみましょう。連立方程式をつくります。

    3x+y−10=0−9x−3y+30=0

    1つ目の方程式の両辺に 3 をかけます。

    9x+3y−30=0−9x−3y+30=0

    2つの方程式を足します。

    9x+3y−30+(−9x−3y+30)=09x−9x+3y−3y+30−30=00=0

    連立方程式の解は無数にあり、2直線の共有点も無数にあるので、2直線は一致します。図は次のとおりです。

    直線 p と q

方向ベクトルと法線ベクトルから位置関係を調べる

方向ベクトルか法線ベクトルがわかっていれば、2直線の位置関係を調べられます。このとき、次のことが成り立ちます。

  1. 方向ベクトルが平行(1次従属)なら、2直線は平行か一致します。
  2. 方向ベクトルが平行でない(1次独立)なら、2直線は1点で交わります。
  3. 方向ベクトルの内積が0なら、2直線は垂直です。

これらは法線ベクトルについても同じように成り立ちます。つまり、法線ベクトルが平行なら、2直線は平行か一致する、などです。

前の節の3つの例題を、方向ベクトルと法線ベクトルを使って解いてみましょう。

  1. 方程式 p: −x + 3y − 5 = 0 と q: 2x + 3y − 17 = 0 で表される直線 p と q の位置関係を調べなさい。直線 p の法線ベクトルは u→=(−1,3)、直線 q の法線ベクトルは v→=(2,3) です。ベクトル u→,v→ は1次従属ではないので、平行ではありません。a⋅u→=v→ となる a ∈ ℝ は存在しません。したがって、2直線は1点で交わります。

    さらに、2直線が垂直かどうかを確かめるため、内積を計算します。法線ベクトルの内積は次のとおりです。

    u→⋅v→=(u1⋅v1+u2⋅v2)=−2+9=7

    内積は0ではないので、2直線は垂直ではありません。

  2. 方程式 p: 2x + y − 8 = 0 で表される直線 p と、次の媒介変数表示で表される直線 q の位置関係を調べなさい。

    x=5−ty=2+2t

    媒介変数表示からは、直線 q の方向ベクトルがすぐに読み取れます。方向ベクトルは媒介変数 t の係数と同じなので、直線 q の方向ベクトルは v→=(−1,2) です。一方、直線 p の一般形からは法線ベクトル n→=(2,1)(x と y の係数)がすぐに読み取れます。法線ベクトルから方向ベクトル u→=(1,−2) が得られます。

    (成分を入れかえ、一方の成分に −1 をかけただけです。ベクトル (2, 1) と (1, −2) の内積は0なので、(2, 1) が法線ベクトルなら、(1, −2) は方向ベクトルです。)

    直線 p の方向ベクトルは直線 q の方向ベクトルの −1 倍で、−1⋅v→=u→ が成り立ちます。したがって、2直線の方向ベクトルは平行で、直線 p と q は平行か一致します。

    次に、2直線が平行なのか一致するのかを調べます。直線 q 上の点 A を1つとり、直線 p を表す方程式に代入すれば十分です。方程式が成り立てば2直線は一致し、成り立たなければ一致はせず、平行です。

    直線 q の媒介変数表示で、媒介変数 t に0を代入します。すると次のようになります。

    x=5−0=5y=2+2⋅0=2

    直線 q 上に確かにある点 A(5, 2) が得られました。この座標を一般形 p: 2x + y − 8 = 0 に代入します。

    2x+y−8=02⋅5+2−8=012−8=04=0

    この点は方程式を満たさないので、点 A(5, 2) は直線 p 上になく、2直線は一致しません。

  3. 方程式 p: −x + 3y − 6 = 0 と q: 3x + y − 14 = 0 で表される直線 p と q の位置関係を調べなさい。この例は、前の節の3つ目の例とは違います。2つの方程式から、両方の直線の法線ベクトルが読み取れます。法線ベクトルは n→p=(−1,3) と n→q=(3,1) です。法線ベクトルは1次従属でも平行でもなく、a⋅n→p=n→q となる実数 a は存在しません。

    次に、2直線が垂直かどうかを調べます。内積を計算します。

    n→p⋅n→q=(−1,3)⋅(3,1)=−3+3=0

    内積は0になったので、2つの法線ベクトルは垂直です。したがって、2直線も垂直です。図は次のとおりです。

    直線 p と q とそれぞれの法線ベクトル

    2直線の交点を求めたいときは、方程式から計算する必要があります。一般形から連立方程式をつくります。

    −x+3y−6=03x+y−14=0

    1つ目の方程式の両辺に −3 をかけます。

    −3x+9y−18=03x+y−14=0

    ここで2つの方程式を足し、さらに変形します。

    −3x+9y−18+(3x+y−14)=09y+y−18−14=010y−32=0y=3210=165

    x 座標は、どちらかの方程式、たとえば −x + 3y − 6 = 0 に代入して求めます。

    −x+3y−6=0−x+3⋅165−6=0−x+485−305=0−x+185=0x=185

    2直線の交点の座標は P(185,165) です。