直線の方程式の一般形
直線の方程式の一般形は、直線の媒介変数表示から媒介変数 t を消去すると得られます。
考え方
1次関数を覚えているでしょうか。1次関数のグラフはちょうど直線になります。1次関数の基本の形は y = ax + b です。2点 A(0, 3), B(2, 7) を通る直線 p を見てみましょう。
グラフがちょうどこの直線 p になる1次関数を求めます。この1次関数は y = ax + b の形です。直線が点 A(0, 3) を通るということは、x1 = 0 のときの関数の値が y1 = 3 だということです。したがって、方程式 a · 0 + b = 3 が成り立たなければなりません。直線は点 B(2, 7) も通るので、x2 = 2 のときの関数の値は y2 = 7 で、方程式 a · 2 + b = 7 も同時に成り立たなければなりません。求めたいのは係数 a, b です。次の連立方程式ができます。
1つ目の方程式 a · 0 + b = 3 から、係数 b は簡単に求まり、b = 3 です。この結果を2つ目の方程式に代入します。つまり、方程式 a · 2 + b = 7 の b に3を代入します。
これで2つの係数 a = 2, b = 3 が求まりました。この直線を表す関数は y = 2x + 3 です。x に x = 1 を代入すると y = 2 + 3 = 5 となり、直線のグラフと一致します。y = 2x + 3 は、右辺が0になるように書きかえることもできます。つまり、両辺に −(2x + 3) を足します。すると次の方程式が得られます。
この方程式を直線の方程式の一般形といいます。
直線の方程式の一般形の定義
前の方法は少し面倒なうえ、直線が y 軸に平行な場合、つまり x 軸に垂直な直線の場合には使えません。そのような直線はどんな関数のグラフにもならないからです。そこで、直線の方程式の一般形を別の方法で定めます。次の形のどんな1次方程式も
平面上の直線の方程式であると定めます。ここで a,b,c ∈ ℝ で、a,b ≠ 0 の少なくとも一方が成り立つ(a と b の少なくとも一方は0でない)とします。逆に、平面上のどんな直線もこの形で表せます。この方程式を直線の方程式の一般形といいます。一般形は直線の媒介変数表示から簡単に求められます。直線が次の媒介変数表示で表されているとき、
一般形は、媒介変数表示から媒介変数 t を消去すれば求まります。例として、前と同じ2点 A(0, 3), B(2, 7) で決まる直線を考えます。有向線分
方向ベクトル
点 A とベクトル
一般形を得るには、媒介変数 t が消えるようにこの2つの方程式を足す必要があります。そこでまず、1つ目の方程式の両辺に −2 をかけ、2つ目の方程式はそのままにします。
ここで2つの方程式を足すと、1つの方程式になります。
これが直線 p の方程式の一般形です。前の方法とまったく同じ方程式が得られました。
一般形は何の役に立つのか
一般形は、直線をつくるすべての点を表しています。一般形 ax + by + c = 0 の未知数 x,y に、方程式が成り立つような実数を代入すれば、点 (x, y) はこの直線上の点です。一般形 y − 2x − 3 = 0 で表される前の直線に戻りましょう。x,y に x = 1, y = 5 を代入すると、次のようになります。
つまり、点 (1, 5) は直線上にあります。x = 2, y = 3 を代入してみると、次のようになります。
方程式は成り立たないので、点 (2, 3) は直線 p 上にありません。図でも確かめられます。
x 軸に垂直な直線
すでに触れたように、x 軸に垂直な直線 p はどんな関数のグラフにもならないので、最初の節の方法では一般形を求められません。しかし、そのような直線にも一般形があり、前の節の方法で求められます。
2点 A(4, 2), B(4, 8) を通る直線で見てみましょう。方向ベクトル
図は次のとおりです。
点 A と方向ベクトル
ここで媒介変数 t を消去するところですが、1つ目の方程式のおかげで手間が省けます。1つ目の方程式には媒介変数 t がない(正確には係数がいつも0)ので、この方程式をそのまま直線 p の一般形として使えます。したがって、直線 p の一般形は次のとおりです。
つまり、方程式 ax + by + c = 0 の係数 a,b,c は a = 1, b = 0, c = −4 です。
x 軸に平行な直線
もう1つ、2点 A(2, 1), B(5, 1) を通る x 軸に平行な直線の例を見てみましょう。方向ベクトル
図は次のとおりです。
点 A を使った直線の媒介変数表示は、次のようになります。
2つ目の方程式では媒介変数 t の係数が0なので、ここでも t を消去する必要はありません。2つ目の方程式をそのまま直線 p の一般形として使えます。
章: 直線の媒介変数表示, 直線の方程式の一般形, 直線の法線ベクトル, 傾きと切片を使った直線の方程式, 空間の直線の方程式