グラフの調べ方:増加と減少
関数のグラフの様子を調べるときには、関数がどの区間で増加し、どの区間で減少するかも調べます。それには関数の微分が役に立ちます。
関数の増減の調べ方
点での接線の傾き、つまり点での関数の微分係数からは、思ったより多くのことがわかります。まず、次の図を見てください。
ここで何に気づくでしょうか。関数がある点で減少しているなら、その点での接線も右下がりになっています(正確には、その接線を表す関数が減少しています)。これは接線 b で見られます。関数 x2 + 1 は点 B で減少していて、接線 b も右下がりです。逆に、接線 a は右上がりで、関数 x2 + 1 も点 A で増加しています。3本目の接線 c は x 軸に平行で、その場所に極値、具体的には極小があることがわかります。
これらはひと目でわかることですが、もう少しきちんと説明する必要があります。まず増加と減少から始めましょう。ある点での接線が右上がりなら、関数もその点で増加しています。接線が右上がりになるのはどんなときでしょうか。接線が x 軸の正の部分となす角が、0度から90度の範囲にあるときです。接線が x 軸の正の部分となす角が90度から180度の範囲にあるときは、接線は右下がりです。次の図を見てください。
角 α は明らかに90度より小さく、接線は右上がりです。角 β は90度より大きく、接線は右下がりです。これは明らかでしょう。では、タンジェントに戻りましょう。タンジェントの求め方を復習する必要があります。それには単位円を使います。単位円上に知りたい角をとると、単位円からある規則で三角関数の値が得られます。タンジェントの値は、動径と、点 (1, 0) で x 軸に垂直に引いた直線との交点の y 座標として表れます。図を見てみましょう。
図には、青い単位円と、赤い直線 a、緑の直線 b の2本の直線があります。これらの直線は、x 軸の正の部分と角 α と β をなします。図から、これらの角のタンジェントは簡単に読み取れます。点 (1, 0) で x 軸に垂直な直線 p を引きます。これが灰色の直線です。角 α のタンジェントは、赤い直線 a と灰色の直線 p の交点の y 座標に等しくなります。言いかえると、角 α のタンジェントは線分 BP の長さ |BP| に等しくなります。
直線 b と角 β についても同じです。角 β のタンジェントは、直線 b と直線 p の交点の y 座標、つまり線分 CP の長さにマイナスをつけたものに等しくなります。
このように、tan(α) は正、tan(β) は負になります。これがまさに求めていたことです。図からわかるように、角 α のように角が区間 (0, 90) にあれば、その角のタンジェントは正で、角 β のように区間 (90, 180) にあれば負になります。
では、ある点での接線が x 軸の正の部分となす角は、どうすれば簡単にわかるでしょうか。微分を使えばよいのです。関数の微分係数はその点での接線の傾きを与え、接線の傾きはまさに、接線が x 軸の正の部分となす角のタンジェントです。言いかえると、ある点で関数の導関数の値が正なら、関数は増加しています。負なら減少しています。
f′(x) > 0 なら、関数 f は点 x で増加しています。f′(x) < 0 なら、関数 f は点 x で減少しています。
例:ここでも関数 f(x) = x2 を使いましょう。この関数の導関数は f′(x) = 2x です。2x < 0 を満たすすべての点で関数は減少し、2x > 0 を満たすすべての点で増加します。簡単な不等式なので、減少する区間は (−∞, 0)、増加する区間は (0, ∞) になります。日本の教科書では、このような結果を増減表にまとめることがよくあります。
章: 関数のグラフの調べ方, グラフの調べ方:極値, グラフの調べ方:増加と減少, グラフの調べ方:下に凸と上に凸