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グラフの調べ方:下に凸と上に凸

関数が下に凸か上に凸か(グラフの凹凸)は、グラフのふくらみ方を表します。下に凸から上に凸に、またはその逆に変わる点を変曲点といいます。

下に凸な関数と上に凸な関数とは

関数が下に凸か上に凸かは、ふつうグラフをひと目見ればわかります。下に凸な関数は「くぼみ」のような形で、上に凸な関数は山のような形です。下に凸な関数にはコーヒーを注げる、ともいわれます。よく知っている関数の例を3つ見てみましょう。

下に凸な関数 x^2 のグラフ。谷か「U」の字のような形です

上に凸な関数 -x^2 のグラフ。山のような形です

関数 x^3 のグラフ。区間 \left(-\infty, 0\right) では上に凸、区間 \left(0, \infty\right) では下に凸です

関数が下に凸か上に凸かの調べ方

次に、関数がある区間で下に凸か上に凸かをどう調べるかを考えます。そのために、もう1つ図を使います。

関数 x^2 の接線

2次関数は、定義域全体で下に凸です。図にかき込んだすべての接線を見て、何か気づくでしょうか。どの接線についても、接線が接するただ1つの点を除いて、2次関数のすべての点がその接線より上にあります。符号を変えた関数 −x2 についても同じような図がかけます。そこでは状況が逆になり、すべての点が接線より下にあります。

関数 -x^2 の接線

さらに説明する前に、次の図を見てください。

下に凸な関数の説明図

図の関数 f(x) = x2 は下に凸です。下に凸な関数では、グラフのすべての点が接線より上にあることがわかっています。ここでもそれは成り立っています。接線 t があり、グラフの点はこの接線より上にあります。では、それらの点が接線より上にあることを、どう計算で示せばよいでしょうか。

点 x0 が与えられていて、点 (x0, f(x0)) でグラフに接線、つまり直線 t を引きます。図では、座標 (x0, f(x0)) の点を赤い点 T で示しています。次に、x 軸上に別の点 x を選びます。図では緑の点です。この x について、点 (x, f(x))、つまり図の緑の点 F が接線 t より上になければなりません。関数 x2 は定義域全体で下に凸なので、どの要素 x ∈ D(f) をとっても、(x, f(x)) は接線より上になければなりません。

これを式で書くにはどうすればよいでしょうか。図には接線 t があります。グラフがちょうど直線 t(接線)になる1次関数 t(x) を考えましょう。たとえば点 x0 での関数の値 t(x0) は t(x0) = f(x0) になります。この点では2つの関数の値が等しい(グラフが共有点をもつ)からです。

これで式に表せます。ある関数のグラフが別の関数のグラフより上にあることは、どう書けばよいでしょうか。単に f(x) > t(x) と書きます。図を見ると、点 x では f(x) > t(x) なので、接線はグラフより下にあります。

関数 f はわかっているので、値 f(x0) と f(x) もわかっています。したがって、f(x) > t(x) かどうかを調べるには、紫の線分 AB の長さがわかれば十分です。それはどう求めればよいでしょうか。線分 TA の長さはわかっていて、|x − x0| です。残念ながら、線分 TB の長さはわかりません。しかし、点 x0 での関数の微分係数を計算すれば、接線の傾き、つまり接線が x 軸の正の部分となす角のタンジェントがわかります。この角は角 ATB と大きさが等しくなります。同位角だからです。

これで、線分 TA の長さと角 ATB の大きさがわかりました。タンジェントは対辺と隣辺の比を表すので、次が成り立ちます。

tan⁡(∢ATB)=|AB||TA|

tan⁡(∢ATB) と |TA| がわかっていて、|AB| を求めたいのです。そこで |AB| について解きます。

|AB|=tan⁡(∢ATB)⋅|TA|

まず、長さ |TA| に |x − x0| を代入します。

|AB|=tan⁡(∢ATB)⋅|x−x0|

そして、tan⁡(∢ATB) に点 x0 での関数 f の微分係数 f′(x0) を代入します。

|AB|=f′(x0)⋅|x−x0|

これで線分 AB の長さが計算できました。図では x > x0 で微分係数は正ですが、一般には正しい符号になるように、|x − x0| の代わりに (x − x0) と書きます。したがって、次のように書けます。点 x0 を除いた点 x0 のある近傍 O があって、この近傍 O のすべての x について次の関係が成り立つとき、関数 f は点 x0 で下に凸です。

f(x)>f(x0)+f′(x0)⋅(x−x0).

不等式の右辺全体は、実は t(x) の値に等しくなっています。図を見ると、f(x0) に線分 AB の長さを足すと、ちょうど t(x) になることがわかります。

変曲点の求め方

導き方は省略しますが、f′′(x0)>0 なら関数 f(x) は点 x0 で下に凸、f′′(x0)<0 なら上に凸です。言葉でいえば、ある点で第2次導関数の値が正なら、関数はその点で下に凸です。

極値が関数の減少する部分と増加する部分を分けていたのと同じように、変曲点は下に凸の部分と上に凸の部分を分けます。つまり、変曲点とは、関数が下に凸から上に凸に、またはその逆に変わる点です。前に、ある点で導関数が0でも、そこが極値とは限らないと説明しました。そこは変曲点かもしれないのです。

変曲点では何が成り立つでしょうか。その点で関数は下に凸から上に凸に(またはその逆に)変わるので、その点では f′′(x)>0 も f′′(x)<0 も成り立ちません。関数がその点で第2次導関数をもつなら、f′′(x) = 0 でなければなりません。f′′(x) = 0 で、しかも f′′′(x) ≠ 0 なら、点 x は変曲点です。例を見てみましょう。

関数 f(x) = x3 の変曲点を求めなさい。グラフは次のとおりです。

関数 f(x)=x^3 のグラフ

導関数、第2次導関数、第3次導関数を計算します。

f′(x)=3x2f′′(x)=6xf′′′(x)=6

x = 0 で f′(x) = 0 となり、同じく f′′(0) = 0 です。関数の第2次導関数は x = 0 で0になります。そして、第3次導関数は正、つまり0ではありません。したがって、関数は点 x = 0 に変曲点をもちます。グラフから、上に凸から下に凸に変わることがわかります。

章: 関数のグラフの調べ方, グラフの調べ方:極値, グラフの調べ方:増加と減少, グラフの調べ方:下に凸と上に凸