単位円
単位円は、ふつうの円のうち、半径が1であるものです。単位円を使うと、それぞれの三角関数の定義をわかりやすく図で表せます。
単位円とは
単位円とは、半径の長さが1で、中心が座標の原点、つまり点 (0, 0) にある円です。次の図を見てみましょう。
円は4つの部分に分かれていて、これを象限といいます。右上が第1象限、左上が第2象限、左下が第3象限、右下が第4象限です。この円は角を表すのに使うので、円の上に角度が書きこんであります。0°のところが、ふつう角の始線になり、動径は時計の針と反対向きに回ります。そのため、点 (0, 1) のところには直角が書いてあります。
円を使ったサインとコサインの定義
単位円を使うと、それぞれの三角関数をとてもわかりやすく図で表せます。まず単位円の上に角をとり、それから、単位円のどこでそれぞれの関数の値を読みとれるかを見ていきます。
円の上に角 AOB(赤)をとりました。この角をαとします。角の2本の辺は、単位円と2点 A、B で交わります。ここで大切なのは点 B です。点 B を通り x 軸に平行な直線(図の水平な破線)を引くと、この直線は y 軸とちょうど1点で交わります。この点を Ps とします。このとき、線分 OPs(緑の線分)の長さは、角αのサインに等しくなります。
ここでは中心が座標の原点にある単位円を考えているので、線分 OPs(緑の線分)の長さは点 Ps の y 座標に等しく、これは点 B の y 座標に等しくなります。
同じ円で、コサインも読みとれます。点 B を通り y 軸に平行な直線を引きます。この直線は、x 軸とある点で交わります。この点を Pc とします。すると、線分 OPc の長さが角αのコサインに等しくなります。この値も、点 B と点 Pc の x 座標に等しいといえます。
タンジェントとコタンジェントの定義
単位円でサインとコサインを定義したのと同じように、タンジェントとコタンジェントも定義できます。わかりやすくするために、まず単位円のどこにタンジェントが現れるかを見てみましょう。そのためには、もう1本直線が必要です。y 軸に平行で、点 A、つまり点 (1, 0) を通る直線です。次の図の青い直線です。
この直線は、半直線(角の辺)OB と1点で交わります。この点を Pt とします。すると、線分 APt の長さが角αのタンジェントに等しくなります。ここでも、点 Pt の y 座標をとれば、角αのタンジェントが得られます。
単位円でコタンジェントを表すには、さらにもう1本直線が必要です。今度は、点 (0, 1) を通り x 軸に平行な直線です。これも青で示しています。
この直線は、半直線(角の辺)OB と1点で交わります。この点を Pk とします。すると、線分 CPk の長さが角αのコタンジェントに等しくなります。これまでと同じように、点 Pk の x 座標だけをとれば、角のコタンジェントが得られます。
では、タンジェントで角αが90°より大きいとき、コタンジェントで180°より大きいときはどうなるでしょうか。次の図のように、これらの場合には直線が角の辺と交わりません。
このときは、半直線 OB をのばして直線にします。すると、この直線は直線 p と交わります。
タンジェントの場合も同じように考えます。
タンジェントとコタンジェントが定義されない場合
単位円を見ると、おもしろいことに気づきます。角αが180°のとき、直線 p と角の辺は平行になるので、けっして交わりません。この問題はどうすれば解決できるでしょうか。解決はできません。180°のコタンジェントは定義されないのです。同じように、90°のタンジェントも定義されません。そのときの角の辺は y 軸に平行になり、交わるはずの直線とも平行になるからです。次の図は、コタンジェントの場合を示しています。
章: 三角比, 単位円, 逆三角関数, サイン、コサイン、タンジェント、コタンジェントの性質, 三角関数の公式, 三角関数のグラフ, 正弦定理と余弦定理