誕生日のパラドックス
クラスやパーティーに何人いれば、確率50%以上で、誕生日が同じ2人が見つかるでしょうか。生まれた年は考えず、月と日だけを考えます。多くの人は、直感でだいたい183人、つまり1年の半分くらいだと思います。正しい答えは23人です。
パラドックスといっても、見かけだけです。矛盾は何もありません。ただ、直感がまったく見当ちがいの方向に引っぱっていくのです。
なぜそんなに少ないのか
同じ誕生日と聞くと、たいていは自分のことを考えます。自分と同じ誕生日の人はいるだろうか、と。しかし、問われているのは別のことです。自分との一致ではなく、グループの中のだれか2人の一致を探しているのです。
しかも、グループの中には、思ったよりずっと多くの2人組ができます。23人のグループでは、1人がほかの22人と組をつくれます。これで 23 · 22 組になりますが、どの組も2回ずつ数えています(花子と太郎、太郎と花子)。したがって、2人組の数は次のようになります。
これは組合せの数 {}23C2 と同じです。どの2人組にも一致する見込みが1回ずつあり、それが253回もあれば、かなりの回数です。
計算のしかた
1年は365日とし、2月29日は除き、どの日も同様に確からしいとします。実際には、生まれる人の数は1年の中で少しずつちがいますが、結果にはほとんど影響しません。
少なくとも2人が一致する場合を直接計算するのは大変です。2人が一致することも、3人が一致することも、2組の異なる2人組が一致することも…あるからです。そこで、余事象を使って遠まわりします。全員の誕生日がちがう日である確率を計算して、それを1から引くのです。
まず3人で考えます。1人目の誕生日はどの日でもよいので、
3人のうち2人が一致する確率は 1 − 0.9918 = 0.0082 で、1%に足りません。
23人でも手順は同じで、分数が増えるだけです。23人目は 365 − 22 = 343 日から選びます。
全員の誕生日がちがう日である確率は、およそ0.4927です。1から引きます。
23人のうち少なくとも2人の誕生日が同じである確率は、およそ50.7%です。22人ではまだ47.6%なので、23人は確率が50%をこえる最小の人数です。
人が1人増えるごとに、確率はどんどん上がります。10人ではおよそ12%、30人ではおよそ71%、50人ではおよそ97%、70人では99.9%をこえます。30人のクラスで、誕生日が同じ2人がいなかったら、それはむしろちょっとした幸運です。
自分と同じ誕生日の場合
最初に思いうかぶ問いにもどりましょう。自分と同じ誕生日の人が少なくとも1人いるには、何人必要でしょうか。
これは計算のしかたがちがいます。n 人のそれぞれが自分とちがう日に生まれる確率は
n = 252 ではおよそ0.4991で、まだ足りません。n = 253 ではおよそ0.5005なので、253人必要です。ちなみに、これは23人のグループの2人組の数と同じです。まったくの偶然ではありません。253組の2人組は、自分と比べる253人と同じく、一致する見込みが253回あることを意味するからです。ただ、まったく同じ数になるのは少し運のよい偶然です。また、2人組どうしは少しずつ影響しあうので、23人では50.05%ではなく50.7%になります。
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