✖

調和平均

調和平均は平均の一種で、主に速さのような割合を扱うときに使います。

平均の速さ

例として、電車で旅行に出かけたとします。行きの電車の平均の速さは時速120 kmでした。帰りも同じ路線を電車で戻りましたが、今度の電車はのんびり走り、時速40 kmしか出ませんでした。往復全体での電車の平均の速さはどれだけでしょうか。次のように相加平均で平均の速さを求めたくなるかもしれません。

120 km/h+40 km/h2=80 km/h

そして、平均の速さは時速80 kmだったと答えたくなります。ところが、これは正しくありません。簡単に確かめられます。行きに電車が1時間走ったとしましょう。平均の速さが時速120 kmなので、その1時間で120 km進んだことになります。帰りの平均の速さが時速40 kmなら、同じ120 kmを進むのに3時間かかります。全体では、電車は4時間で240 km進みました。ここから平均の速さを求めると、次のようになります。

240 km4 h=60 km/h

相加平均ではうまくいきませんでした。二つの速さ120と40の平均をどう計算すれば、正しい結果が得られるでしょうか。

調和平均

相加平均の代わりに使えるのが調和平均です。まず分数をつくり、分子には平均を求める値の個数を入れます。今の例では速さが二つあるので2です。

2?

分母には、二つの速さの逆数の和を入れます。速さ120の逆数は 120−1、つまり 1120 です。次の分数が得られます。

21120+140

分母の分数を通分します。

21120+3120

これで分数を簡単にたし算できます。

24120

少し変わった形の分数ですが、心配はいりません。次のように積の形に直します。

24120=2⋅1204

この変形がわかりにくければ、2分の1で割ることは2をかけることと同じだと思い出しましょう。つまり、2を分数 4120 で割ることは、2に逆数の 1204 をかけることと同じです。あとは分数を計算すれば、答えが出ます。

2⋅1204=2404=60

調和平均は60になり、正しい結果が得られました。

調和平均の一般の公式

n 個の数 x1, x2, …, xn があるとき、その調和平均 H は次の式で求めます。

H=n1x1+1x2+…+1xn

和の記号シグマを使えば、調和平均は次のようにも書けます。

H=n∑i=1n1xi

例えば、四つの値1、2、3、4の調和平均は次のとおりです。

H=411+12+13+14=41212+612+412+312=42512=4⋅1225=4825=1.92

章: 平均値, 中央値, 最頻値, 評定の平均の求め方, 相乗平均(幾何平均), 調和平均