くくり出し
くくり出しに入る前に、まず、かっこのはずし方(展開)を見ておきます。くくり出しととても深い関係があるからです。くくり出しは、かっこをはずす操作のちょうど逆の操作だといってもよいほどです。
かっこをはずす
かっこのはずし方は簡単です。例で見てみましょう。式 3 · (5 + 8) を計算します。方法は2つあります。1つは、かっこの中を先に足す方法です。5 + 8 = 13 なので、3 · 13 になります。
もう1つは、かっこをはずす方法です。かっこの前の数3を、かっこの中の両方の数にかけます。かっこの中のプラスの符号はそのまま残ります。すると、次のようになります。
どちらの方法でも答えは同じです。(3 · 5 + 3 · 8) = 15 + 24 = 39 です。このきまりを「分配法則」といいます。
かっこをはずせる理由
なぜこのような計算をしてよいのでしょうか。積を、足し算を書き並べたものと考えてみましょう。たとえば 3 · 7 と書くのは、7を3回足すということです。つまり 3 · 7 = 7 + 7 + 7 です。
かっこのある式も同じように書き直せます。3 · (5 + 8) は (5 + 8) + (5 + 8) + (5 + 8) と同じです。足し算は順序を入れかえてもよいので、かっこをはずして5どうし、8どうしを並べると、5 + 5 + 5 + 8 + 8 + 8 になります。これはかけ算を使って 3 · 5 + 3 · 8 と書き直せます。これが、かっこをはずしたときの式です。
かっこをはずす例題
- 5 · (4 + 7) のかっこをはずしましょう。かっこの中の数にそれぞれ5をかけると、5 · (4 + 7) = 5 · 4 + 5 · 7 になります。
- 6 · (x + 4) のかっこをはずしましょう。文字が入っていても気にせず、文字にも6をかければよいのです。6 · (x + 4) = 6x + 6 · 4 になります。
- x · (4 + 173) のかっこをはずしましょう。今度はかっこの前に文字があるので、かっこの中の両方の数に x をかけます。x · (4 + 173) = 4x + 173x になります。
- 4x · (2x + 7) のかっこをはずしましょう。今度はかっこの前にも中にも文字があり、かっこの前の式も少し複雑です。それでも問題ありません。かっこの中に 4x をかけます。4x · (2x + 7) = 4x · 2x + 4x · 7 = 8x2 + 28x です。
簡単なくくり出し
くくり出しは、かっこをはずす操作の逆です。たとえば、式 10x + 5 があるとします。2つの項をどちらもうまく割り切れる数が見つかれば、その数をかっこの外に出す、つまり「くくり出す」ことができます。この式では 10x / 5 = 2x、5 / 5 = 1 なので、その数は 5 です。したがって、次のように書けます。
かっこ 5 · (2x + 1) をはずすと、もとの 10x + 5 にもどります。くくり出しは、ふつう式を簡単にしたり、分数で約分できるように積の形にしたりするために行います。このときくくり出す数や式を「共通因数」といいます。
文字のくくり出し
数だけでなく、文字そのものをくくり出すこともよくあります。式 3x2 + 7x なら x をくくり出せます。つまり、両方の項を x で割ってかっこでくくり、かっこに x をかけます。すると 3x2 + 7x = x · (3x + 7) になります。
ふつうは、できるだけ「たくさん」くくり出すようにします。式 8x2 + 12x で x だけをくくり出すと 8x2 + 12x = x · (8x + 12) になりますが、かっこの中からはさらに 4 をくくり出せることがわかります。あとからくくり出すと、x · (4 · (2x + 3)) になります。外側のかっこをはずすと、4x · (2x + 3) になります。
もとの式 8x2 + 12x から直接 4x をくくり出しても、同じ結果になります。途中をくわしく書くと、次のようになります。
もっと複雑な式のくくり出し
ここまでは、項が2つの式からくくり出しました。もっと長い式からくくり出すこともできます。たとえば、7x3 + 5x2 + 2x から x をくくり出すと、x · (7x2 + 5x + 2) になります。
また、いつもきりのよい数をくくり出す必要はなく、どんな数でもくくり出せます。たとえば、式 6x + 7 から 2 をくくり出すこともできますが、両方の項を2で割らなければならないので、きれいな結果にはなりません。6x は 6x / 2 = 3x でうまくいきますが、7 は 7 / 2 = 3.5 となって、あまりきれいではありません。結果は 6x + 7 = 2 · (3x + 3.5) になります。
例題
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25x + 45 から、共通因数をうまくくくり出しましょう。ひと目で 5 をくくり出せるとわかるので、5 · (5x + 9) になります。
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次の分数を簡単にしましょう。
まず、分数の分子から x をくくり出します。分子は x · (3x + 7) になります。これで分数全体を x で約分できます。
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−2x2 − 8x から、共通因数をうまくくくり出しましょう。ここで初めて負の数が出てきました。でも問題ありません。正の数と同じように、負の数もくくり出せます。いっぺんに −2x をくくり出すと、次のようになります。