パーセントの計算
パーセントは、ふつう全体に対する割合を表し、全体そのものを100%とします。パーセントはいつでも分数に書き直せます。
全体に対する割合としてのパーセント
パーセントは、全体のうちの一部を表したいときに使います。「クラスの4分の1が評定1だった」や「2人に1人は男性だ」のような言い方は、パーセントで言いかえられます。どの場合にも、たとえばクラスの生徒全員のような全体があり、そのうち4分の1が評定1だった、というわけです。クラスに32人の生徒がいて、その4分の1が評定1だったとすると、評定1だった生徒の数は次のようになります。
2つ目の例として、ある町を考えます。人口はおよそ60,000人です。2人に1人が男性なら、住民の半分が男性ということで、次のように書けます。
さらに、「この町の100人に1人は数学者だ」と言うこともできます。すると、町には
ここでパーセントという考え方を導入しましょう。1パーセント(1%と書きます)は、全体の100分の1を表します。つまり、「この町の100人に1人は数学者だ」と「この町の人の1%は数学者だ」は同じことを言っています。全体の1%は、全体に
パーセントは簡単に分数に直せるので、分数として計算を進められます。「この町では x%の人の髪が黒い」と言えば、「この町では
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町の住民の 35%がバスを使っています。バスを使っているのは何人でしょうか。35 % は全体の
(「100分の35」)と同じです。したがって、 を計算します。これは、まず60,000を100で割り、その結果に35をかければ簡単に計算できます。実際には、次の変形をしています。まず1%にあたる人数を求めると考えることもできます。
なので、1%は600人です。知りたいのは住民の35%なので、この600人に35をかけるだけです。35 · 600 = 21,000 です。 -
健太さんの日給は平均で8,000円です。今日は平均の75%しか稼げませんでした。健太さんはいくら稼いだでしょうか。手順はこれまでと同じです。全体は8,000で、75%は分数
に直せます。この分数はさらに に約分できます。全体にこの分数をかけます。 -
次の日、健太さんは取り返して、平均の150%を稼ぎました。いくら稼いだでしょうか。100%が全体だと言ったのに、100%を超えることなどあるのでしょうか。あります。「平均の3倍稼いだ」と言えるのと同じように、平均の150%を稼ぐこともできます。
手順はまったく同じです。150%を分数
に直し、この分数を健太さんの平均の日給8,000にかけます。
比例式を使ったパーセントの計算
パーセントで表した割合は、簡単に比例式に直せます。日給が平均8,000円で、今日は平均の75%を稼いだ健太さんの例を続けましょう。比例式を使うと、次のように書けます。
比例の関係なので、次の式になります。
両辺に8000をかけると、次の式になります。
あとは簡単に計算できます。
同じ数になりました。
一部がわかっていて全体がわからないとき
ここまでの例では、いつも全体の値がわかっていて、パーセントで表された一部を求めました。では、一部がわかっていて全体がわからないときはどうでしょうか。例を見てみましょう。健太さんは、大きな緑の怪物がかかれた魔法のカードを120枚持っています。緑の怪物のカードをこれほど持っているのは大したものですが、それでもさくらさんの持っている枚数の60%にすぎません。さくらさんは何枚持っているでしょうか。
ここでは一部がわかっていて、全体はこれから求めます。わかっているのは、120枚がさくらさんの枚数の60%にあたるということです。1%にあたる枚数を求めるには、120を60で割ればよいのです。120/60 = 2 なので、1%は緑の怪物のカード2枚です。求めたいのは全体で、全体はいつも100%なので、この枚数に100をかけます。200枚になり、これが正しい答えです。
200の60%を計算して確かめてみましょう。次のようにかけるだけです。
200の60%は120で、健太さんの持っている緑の怪物のカードの枚数とちょうど同じです。
パーセントの足し算
パーセントが出てくる問題では、パーセントのままではなく、実際の値を求めてから足すのがいちばん確実です。たとえば、次のような問題です。太郎さんの月給は15万円、翔太さんは20万円、美咲さんは25万円です。花子さんの月給は、太郎さんの月給の30%と、翔太さんの月給の40%と、美咲さんの月給の25%を合わせた額です。花子さんの月給はいくらでしょうか。
パーセントが3つ出てきますが、それぞれもとにする量がちがいます。太郎さん、翔太さん、美咲さんの月給はみなちがうからです。まず、太郎さんの月給の30%を求めます。1%は150,000/100 = 1,500です。これに30をかけて 1500 · 30 を計算すると、45,000になります。次は翔太さんの月給の40%です。1%は200,000/100 = 2,000です。これに40をかけると 2000 · 40 = 80000 です。最後は美咲さんの月給の25%です。月給は250,000なので、1%は250,000/100 = 2,500です。25をかけると 2500 · 25 = 62500 です。あとは途中の結果をすべて足すだけです。45,000 + 80,000 + 62,500 = 187,500です。花子さんの月給は187,500円で、なかなかの額です。
とはいえ、本当にパーセントどうしを足すこともあります。パーセントを足せるのは、もとにする量、つまり全体が同じときだけです。たとえば、大輝さんの月給が翔太さんの月給の20%と翔太さんの月給の30%を合わせた額なら、パーセントを足せます。どちらも翔太さんの月給をもとにしているからです。したがって20% + 30% = 50%となり、大輝さんの月給は翔太さんの半分、10万円です。
まちがえやすいパーセントの重ね方
次のような場面を考えてみましょう。結衣さんの1年目の月給は20万円でした。2年目に昇給して、月給が30%上がりました。3年目にもまた昇給しましたが、今度は10%だけでした。結衣さんのいまの月給はいくらでしょうか。
このような問題では、前の例と同じようにパーセントを足したくなります。見たところ、どれも結衣さんの月給という同じものをもとにしているからです。そこで30% + 10%を計算して、もとの月給に足すと、結衣さんの月給は28万円になります。ところが、これはまちがいです。順に見ていきましょう。
1年目の月給は20万円でした。2年目の月給は20万円 + 30%で、計算すると26万円になります。そして3年目に、月給が10%上がりました。ここで注意しましょう。もとにする量は、もう1年目の20万円ではありません。26万円です。パーセントを足せるのは、もとにする量が同じときだけでした。この例ではもとにする量がちがいます。最初は20万円で、次は26万円です。したがって、3年目の月給は26万円 + 10%で、28万6,000円になります。
28万円という答えはまちがいなうえに、結衣さんの月給を6,000円も少なくしてしまいました。結衣さんにひどいことをしないであげてください。
数学の参考書を割引で買おう
値引きもよくある例です。お店に、サンタクロースからのプレゼントにぜひほしい数学の参考書があるとします。ほかにほしいものなんてありませんよね。:-)
ところがクリスマスの前に、本が 20 % 値上がりしました。それならクリスマスが終わるまで待とうと考えます。それは正解でした。クリスマスのあと、お店は本を 20 % 値下げしたのです。では、本の値段は値上げ前と同じでしょうか。それとも高くなったでしょうか、安くなったでしょうか。
同じ値段にもどると考える人もいますが、そうではありません。計算してみましょう。本の値段は2,000円だったとします。20%の値上げで、本は
ところが、20%引きは2,000円ではなく、2,400円をもとに計算します。つまり、本は
(でも正直なところ、このサイトがあるのに、数学の参考書を買う人なんているでしょうか ;-))
パーミル
パーミルは、ヨーロッパなどで運転者の血中アルコール濃度を表すときによく使われます。パーミルはパーセントの1000分の1だと思っている人がいますが、それはまちがいなので注意しましょう。パーミルは全体の1000分の1です。それ以外は、パーミルもパーセントとまったく同じように計算します。5000の x パーミルを求めるには、
パーミルは記号‰で表します。
くわしくはパーミルの記事を見てください。
パーセントの書き方
日本語では、数字と%の間をあけずに「100%」と書きます。なお、チェコ語では「100 %」(すき間あり)は「100パーセント」、「100%」(すき間なし)は「100パーセントの」という意味で、2つを書き分けます。
パーセントとポイント
ふつうのパーセントのほかに、「ポイント」(パーセントポイント)という言い方もあります。どうちがうのでしょうか。あるウェブブラウザの利用率が、2年前は 20 % だったのに、今年は30%になったとします。この2年間でどれだけ増えたでしょうか。10%増えたと言うのはまちがいです。最初は20%の人が使っていて、そのあと30%になったのですから、利用者は以前より半分多い、つまり1.5倍になったことになります。これは50%の増加です。
とはいえ、増加は50%だと言うのも少しわかりにくく、パーセントの数値が10上がったと言うほうがだれにとってもわかりやすいでしょう。そのためにあるのが「ポイント」です。この場合、ブラウザの利用率は10ポイント上がったと言えます。ポイントは、2つのパーセントの値の単純な差を表したいときに使います。