比例式(比例と反比例の計算)
比例式は、比例や反比例の簡単な計算に使います。たいていは、たがいに関係のある3つの値がわかっていて、4つ目の値を求めます。比例と反比例では計算のしかたがちがうので、どちらなのかをきちんと見分けなければなりません。
考え方
お店にジュースを買いだめしに行きます。500円でジュースが5本買えました。1,000円あったら何本買えるでしょうか。これは比例式で解ける典型的な問題です。
ここでは簡単に考えることができます。最初は500円、次は1,000円です。お金が2倍になれば、買える本数も2倍になると考えられます。したがって、1,000円なら 2 · 5 = 10 本買えます。
「〜が多いほど〜も多い」というこの考え方は、いつも使えるわけではありません。次のような問題もあるからです。10人の大工さんが家を4か月で建てます。20人なら何か月で建てられるでしょうか。さっきの考え方を使って、大工さんが2倍なら月数も2倍だとすると、20人で建てると 2 · 4 = 8 か月かかることになります。
もちろん、これはまちがいです。大工さんが多いほど、家を建てるのにかかる月数は少なくなるからです。そこで逆に考えなければなりません。大工さんが2倍なら、かかる月数は半分です。こうして正しい答えが得られます。20人なら 4/2 = 2 か月で家が建ちます。
この2つの考え方には、それぞれ名前があります。比例と反比例です。
比例
「〜が多いほど〜も多い」が成り立つとき、2つの量は比例しています。例を挙げます。
- お金が多いほど、ジュースやきゅうりやキックボードをたくさん買えます。
- 記者が記事を多く書くほど、たくさんお金を稼げます。
- 穴を掘る人が多いほど、たくさん掘れます。
- ポンプを長く動かすほど、たくさんの水をくみ出せます。
例:車は100 kmでガソリンを6 L使います。250 km走ると、ガソリンを何L使うでしょうか。車は長く走るほどガソリンを多く使うので、これは比例の問題です。
手順:まず、わかっていることを書きます。わかっていることと求めたいことを見やすくするために、次のような表を使います。
1行目には、すべてわかっている値を書きます。2行目の右側にはわからない値、左側にはそれに対応する値を書きます。たての列にはいつも同じ種類の値を書かなければなりません。この例では、一方の列はすべて km、もう一方の列はすべて L です。
この問題を解くのに役立つ覚え方があります。まず、右側に下から上への矢印をかきます。
比例のときは、左側にも同じく下から上への矢印をかきます。
次に、それぞれの列から矢印の向きに分数を作ります。矢印の出発点の数が分子、矢印の終点の数が分母です。この2つの分数を等号で結びます。1つ目の列(km)からは分数
これはふつうの1次方程式なので、同値変形で解けます。両辺に6をかけて、右辺の分母をはらいます。
あとは x を計算するだけです。
車は250 km走るとガソリンを15 L使います。
反比例
「〜が多いほど〜は少ない」が成り立つとき、2つの量は反比例しています。例を挙げます。
- ピザを分ける人が多いほど、1人分は小さくなります。
- インターネットが速いほど、映画を早くダウンロードできます。
- 速く進むほど、早く目的地に着きます。
- 家を建てる人が多いほど、家は早く完成します。
例:通信速度が毎秒2 MBのパソコンで、あるコンサートの録画を450秒でダウンロードできました。通信速度が毎秒6 MBなら、同じコンサートを何秒でダウンロードできるでしょうか。
手順は比例のときと同じです。値を見やすい表に書きます。
次は矢印です。右の矢印はやはり下から上で、ここは変わりません。ところが反比例なので、左の矢印は逆向き、つまり上から下になります。
ここからの手順は同じです。この表から、矢印の向きに分数を作ります。分数
両辺に450をかけます。
そして x を計算します。
速い回線なら、コンサートは150秒でダウンロードできます。
この手順は直感とも合っています。最後に450を3で割っていますが、これは予想どおりです。速さが毎秒2 MBから毎秒6 MBになったので、速さは3倍です。だから、ダウンロードにかかる時間は3分の1になるはずです → これをちょうど表しているのが分数
例題
例題1: ある高級ホテルの部屋は、7泊で70,000円です。同じ部屋に12泊すると、いくらになるでしょうか。
まず、値を表に書きます。
ここで、比例か反比例かを決めなければなりません。長く泊まるほど払う金額は少なくなるでしょうか。そうではなく、逆です。長く泊まるほど、たくさん払います。したがって比例です。矢印をかき入れます。
矢印にしたがって分数を作ります。
方程式を解きます。
12泊すると、部屋代は 120,000 円になります。
例題2: 10人のアルバイトがいちごをつんで、1日に50 kgのいちごを収穫します。7人なら1日に何kgのいちごを収穫できるでしょうか。
値を表に書きます。
比例でしょうか、反比例でしょうか。この例にはちょっとした落とし穴があります。これまでの例とちがって、わからない値のある行のほうが、1行目より人数が少ないのです。でも、まどわされないでください。アルバイトが多いほど収穫するいちごも多いので、これも比例です。逆に言えば、アルバイトが少ないほど収穫も少なくなります。これも比例です。したがって、どちらの矢印も下から上です。
分数を作ります。
そして x を求めます。
7人なら1日に35 kgのいちごを収穫できます。
例題3: 健太くんの歩幅は平均80 cmです。学校から家まで歩いたら、1,300歩でした。歩幅がちょうど1 mだったら、何歩になるでしょうか。
まず表です。問題文には80 cmと1 mが出てくることに注意しましょう。表では同じ単位にそろえる必要があるので、1 mのかわりに100 cmを使います。逆にmにそろえて、1 mと0.8 mと書いてもかまいません。
比例と反比例のどちらでしょうか。歩幅が大きいほど、同じ距離を歩くのに必要な歩数は少なくなるので、反比例です。左の矢印は上から下、右の矢印は下から上になります。
分数は次のようになります。
x について解いて、計算します。
健太くんは、同じ距離を1,040歩で歩けることになります。
公式
これまでの計算からわかるように、手順はいつも同じで、簡単な公式にまとめられます。まず、表を文字で書きます。
すると、次の公式が成り立ちます。比例のときは次のとおりです。
反比例のときは次のとおりです。