かけ算の筆算
2つの数を、紙と鉛筆だけを使ってかける方法を説明します。
かけ算の筆算の手順
簡単な例から始めます。もっと複雑な例は記事の最後にあります。かけたい2つの数があるとします。ここでは自然数だけを扱います。たとえば 13 · 72 を計算したいとしましょう。2つの数を上下に並べて書き、その下に線を引きます。
まず、下の数のいちばん右の数字(一の位)を、上の数のすべての数字にかけていきます。ここでも右から始めるので、最初は 2 · 3 = 6 です。結果は数字 2 の真下に書きます。次に、数字 2 を上の数の右から2番目の数字にかけます。つまり 2 · 1 = 2 です。この結果は 7 の真下に書きます。
下の数で1つ左の数字 7 に移り、同じことをします。ただし、位が1つ上がった(7は十の位、2は一の位)ので、線の下でも位を1つずらさなければなりません。右下、6の下に0を書きます。あとは同じように続けます。(日本の筆算ではこの0を書かずに1けた左にずらして書くことが多いのですが、ここでは理由がわかりやすいように0を書きます。)
次は 7 · 3 = 21 です。ここが落とし穴です。書けるのは数字1つだけで、21 は2けたなので書けません。そこで、この数を2つの数字に分けます。右の数字 1 を紙に書き、左の数字 2 は次の計算のために覚えておきます(くり上げます)。つまり、1 を書いて 2 を覚えておきます。1は0のすぐ左に書きます。
次に、数字 7 を上の数の数字 1 にかけます。7 · 1 = 7 です。ここで、覚えておいた数字 2 の出番です。この結果に足して 7 + 2 = 9 とします。この数を、いちばん下の行の数字 1 の左に書きます。
最後に、線の下の数を足します。
936になりました。これが積 13 · 72 です。
なぜうまくいくのか
かけ算は、もっと簡単な積と和に分けられます。13 · 72 は 13 · 2 + 13 · 70 と同じです。くくり出しと見ることもできますが、ふつうに考えるだけでもわかります。13を72回足すのは、13を70回足してから、さらに13を2回足すのと同じです。
筆算の手順は、まさにこの部分積を順につくっているだけです。線の下には 26 と 910 が出てきました。そして 26 = 2 · 13、910 = 70 · 13 が成り立ちます。
これがきちんと合うように、2行目には0を書き足す必要がありました。実際には 7 · 13 を計算していたからです。そこから積 70 · 13 を得るには、結果に0をもう1つつける必要があります。
少し難しい例
28 · 617 を計算しましょう。まず、2つの数を上下に並べて書きます。
最初は 7 · 8 = 56 です。6 を書き、5 をくり上げます。
次は 7 · 2 = 14 で、前の 5 を足して 14 + 5 = 19 です。9 を書き、1 をくり上げます。
もうかける数字がないので、くり上げた1をそのまま書きます。
2行目に移ります。0を書いてからかけます。1 · 8 = 8 なので、8 を書きます。
次は 1 · 2 = 2 で、2 を書きます。
3行目に移ります。位がもう1つ上がるので、0を前より1つ多く書きます。
かけ算をします。6 · 8 = 48 で、8 を書き、4 をくり上げます。
次は 6 · 2 = 12 で、4 を足して 12 + 4 = 16 です。6 を書き、1 をくり上げます。
もうかける数字がないので、くり上げた1をそのまま書きます。
最後に、線の下の3つの数を足します。