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角

ある角があって、その角を別の場所に写したいときは、角を写す作図が使えます。

角とは

角の定義はそれほど簡単ではなく、いろいろな定義があります。しかし、ここでの目的には次の定義で十分でしょう。角とは、端点が同じ2本の半直線で区切られた平面の部分です。この定義で大切なのは、角は2本の辺だけではなく、2本の辺にはさまれた平面の部分全体だということです。次の図を見てみましょう。

角

ただし、前の図は完全に正しいわけではありませんでした。どちらの角のことなのかを決めていなかったからです。ぱっと見ると、角 ABC として図の部分を思いうかべるかもしれません。しかし、平面のもう一方の部分を思いうかべることもできます。

「同じ角」の別の見方

そのため、角を表すときは、180° より小さい角(劣角)なのか、180° より大きい角(優角)なのかを区別する必要があります。優角は凹角ともいいます。これは、たとえば向きのついた角を使って表せます。

角には、正の向きと負の向きがあります。正の向きでは時計の針と反対向きに、負の向きでは時計の針と同じ向きに回ります。つまり、角 ABC と書くときは、1つ目に半直線 BA、2つ目に半直線 BC を挙げています。正の向きでは、半直線 BA から時計の針と反対向きに回っていきます。上の例では、1つ目の図、つまり劣角になります。負の向きをとれば、優角、つまり2つ目の図になります。ふつうは正の向きで考え、この記事でも正の向きで書きます。

つまり角は、角を区切る2本の辺、辺が出ている頂点、そして辺にはさまれた部分からできています。角 ABC では、辺は BA と BC、頂点は B です。

角の大きさ

線分の長さをはかれるのと同じように、角の大きさもはかれます。角の大きさは、おなじみの度数法か、弧度法ではかります。度数法は簡単で、90° が直角(たとえば正方形の内角はどれも 90° です)、180° が平角(たとえば反対向きの2本の半直線がつくる角です)、360° が周角(重なった2本の半直線がつくる角で、まわりの平面全体からなります)です。1度はさらに分(′ で表します)と秒(″ で表します)に分けられます。1度は60分、1分は60秒です。1° = 60′、1′ = 60″ です。

それぞれの角の図:

直角

平角

周角

弧度法は少し思いうかべにくくなります。次元をもたない(長さの比である)ラジアンを使うからです。ラジアンの大きさなどの性質は、弧度法の記事で説明しているので、ここではくり返しません。

角は大きさによって、さらに鋭角(90° より小さい角)と鈍角(90° と 180° の間の角)に分けられます。これらは、上で見た劣角の一部のようなものです。180° より大きいのは優角で、優角はこれ以上分けません。

鋭角

鈍角

角の組

特別な角の組には、知っておくとよい性質があります。

  • 対頂角は、頂点が同じで、辺どうしが反対向きの半直線になっている角です。対頂角はいつも等しく、同じ大きさです。

対頂角は同じ大きさ

  • となり合う角(補角の関係にある角)は、1本の辺を共有し、残りの辺どうしが反対向きの半直線になっている角です。となり合う角の和は、いつも 180°、つまり平角に等しくなります。

となり合う角の和はいつも 180^{\circ}

  • 同位角は、1本目の辺どうしが平行で、2本目の辺どうしが同じ直線上にある角です。2つの角の向きも同じでなければなりません。同位角は等しくなります。

同位角は等しい

ほかにも角の組はありますが、どれも上の3つの位置関係から導けるものです。

角の計算

角についても、いくつかの基本的な計算ができます。最も基本的なのはたし算です。数の上では、まずまちがえることはありません。ふつうに角の大きさをたすだけです。角が360°をこえるときは、ふつう、もっと簡単な形、つまり 0° − 360° の範囲に直します。要するに、360進法で計算するようなものです。同じように、問題に分や秒があるときは、60進法で計算しなければなりません(ふつうの時計と同じです)。

念のため、例を1つ見ておきましょう。α = 183° 51′ と β = 222° 24′ をたしてみます。まず分を計算します。51′ + 24′ = 75′ = 1° 15′ です(手順は簡単で、75 を60で割ります。商が度の数、余りが残りの分の数です)。次に度を計算します。183° + 222° = 405° です。この途中の結果に、さきほどの結果をたします。405° + 1° 15′ = 406° 15′ です。ここで、この角が0と360の間に入るまで、360ずつ小さくしていきます。小さくするのは、360° の角をえがくと、また最初の位置にもどるからです。361° の角は、紙の上では 1° の角と同じ大きさに見えます。したがって、次のようになります。406° 15′ = 46° 15′。

章: 角, 角の二等分線の作図, 角を写す作図, 弧度法, 向きのついた角, 多角形の内角の和, 勾配(%)を角度に直す