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等式の変形(文字について解く)

複雑な関係式や分数の式を、ある1つの文字について解く方法を説明します。この技法は、いくつもの文字が出てくるさまざまな公式を扱うときに特に役立ちます。ほかの公式と組み合わせれば、何もないところからあらゆる式を導き出すような離れ業もできるようになります。

簡単な1次式

ax + b = c という式を考えます。この架空の式を x について解くにはどうすればよいでしょうか。まず、解きたい文字を含む項をすべて左辺に、残りを右辺に集めます。理論上はどちらの辺に何を置いてもかまいませんが、求める文字を左辺に置くのが慣例です。そこで、まず b を右辺に移項します。つまり、両辺に −b を加えます。

ax+b=c/−bax=c−b

文字を含む項は左辺に集まりましたが、まだ a がじゃまです。これをうまく消すにはどうすればよいでしょうか。ax をどうすれば x だけが残るでしょうか。そうです、この項を、つまり両辺を a で割ります。言いかえると、両辺に 1a をかけます。このとき、a は0であってはいけません(0で割ることはできません)。こうすると、次の式が得られます。

ax=c−b⋅1a(a≠0)x=c−ba

これで完成です。次の例を見てみましょう。

2ax−3bx=10a

ここでも x について解きます。求める文字を含む項はすでに左辺にあるので、少し手間がはぶけます。ただ、その項が二つあるのが難しいところです。これはくくり出しで解決します。左辺を x でくくると、次のようになります。

2ax−3bx=10ax(2a−3b)=10a

前の例では、ax から x だけを取り出すために、両辺に 1a をかけました。今度は式に x(2a − 3b) があり、やはり x を求めたいので、同じことをします。両辺を (2a − 3b) で割るのです。心配はいりません。かっこでくくった式全体で両辺を割ってもかまいません。ただし、2a − 3b ≠ 0 でなければなりません。

x(2a−3b)=10a/⋅12a−3bx=10a2a−3b

分数を含む式

分数を含む式でも、同じ方程式の同値変形を使います。ただし、うっかり0で割ったり0をかけたりしないように注意が必要です。例を見てみましょう。

ax=bc

x について解きます。両辺に x をかけますが、そのとき x ≠ 0 という条件をつけなければなりません。もっとも、この条件はもともと成り立っています。式に分数 ax があって x は分母にあり、0で割ることはできないからです。こうして次のように変形できます。

ax=bc/⋅x(x≠0)a=bxc/⋅c(c≠0)ac=bx⋅1b(b≠0)acb=xx=acb

要するに、文字について解くときは、ふつうの方程式の同値変形を使えばよいのです。