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数学の記号

数学にはさまざまな記号があり、慣れていないとすぐに迷ってしまいます。この記事では、数学のあらゆる場面で出会う基本的な記号を取り上げて説明します。

記号の一覧

  • +, −, · , /:足し算、引き算、かけ算、割り算という基本的な計算を表す記号です。かけ算の記号は国や場面によって違います。日本の小学校では × を使い、中学校からの文字式では × を省略して書きます。数学の本では中央の点 · もよく使い、コンピューターではアスタリスク * を使います。割り算は、小学校では ÷ を使い、中学校からの文字式では分数の形で書きます。コンピューターや一部の国ではスラッシュ / を使います。なお、国によってはコロン「:」を割り算の記号として使いますが、日本では「:」は比を表します。

  • (), [], {}:3種類のかっこです。使い道はいろいろあります。丸かっこ ( ) は、計算の順序を決めたり、いくつかの式をひとまとめにしたりするのに使います。例えば、次のように書いたとします。

    1+2/3+4

    これでは、どういう意味かがはっきりしないかもしれません。この書き方は、1と3分の2と4を足すという意味になります。全体を一つの大きな分数にしたいなら、丸かっこを使います。

    (1+2)/(3+4)

    かっこを重ねるときは、内側から順に ( )、{ }、[ ] と使い分けます。座標は日本では丸かっこで書き、x = 10、y = 12 の点は (10, 12) と書きます(チェコなど、座標を角かっこ [ ] で書く国もあります)。

  • x2:右上に小さく書く数は累乗を表します。x2 は x · x と書きかえられます。右上の数を指数といいます。

  • :平方根を表す記号(根号)です。平方根は2乗の逆の計算です。平方根には次の性質があります。

    x⋅x=x

  • %:パーセントの記号で、数学でもパーセントの計算に使います。それ以上の難しい意味はありません。

  • |x|:縦線は絶対値を表します。絶対値は、負の数を正の数にします。例えば |−5| = 5 です。国によっては、図形で2点間の距離を縦線で表すこともあり、点 A と点 B の距離を |AB| と書きます。日本では、縦線をつけずに単に AB と書きます。

  • !:階乗を表します。階乗は、ある数以下のすべての自然数の積です。「!」は、階乗を求めたい数のうしろに書きます。例えば 5! = 5 · 4 · 3 · 2 · 1 = 120 です。

  • π:代表的な数学の定数で、円周率です。π は「パイ」と読みます。円周や円の面積を計算するのに使うので、三角関数や作図でよく出てきます。記号 π はギリシャ文字です。およその値は3.1415…です。無理数なので、小数で最後まで書き表すことはできません。

  • e:もう一つの重要な数学の定数で、ネイピア数といいます。日本では、スコットランドの数学者ジョン・ネイピアにちなんでこうよびます。この記号を使い始めたのは、スイスの有名な数学者レオンハルト・オイラーです。ネイピア数は対数でよく使い、自然対数の底がネイピア数です。円周率と同じく無理数なので、小数で最後まで書き表すことはできません。およその値は 2.71…です。

  • D(f) と H(f):関数の定義域と値域を表すチェコなどの記号です。日本の学校ではこの記号は使わず、ことばで「定義域」「値域」と書きます。定義域は、関数に入れることのできる値の集合です。値域は、関数の値がとりうる値の集合です。

  • (12):組合せの数(二項係数)を表す記号です。分数の横線をなくし、まわりをかっこで囲んだような形をしています。このかっこはいつも書き、二つの数だけを並べて書くことはありません。組合せの数を短く書くのに使います。日本の高校では、C の左下と右下に数を添えた記号を使うのがふつうで、かっこの記号は大学でよく見かけます。

  • ℕ, ℤ, ℚ, ℝ, ℂ:数学でよく使う代表的な集合です。左から順に、自然数、整数、有理数、実数、複素数の集合です。

  • ⊆ , ∈ , ×:集合で使う記号です。左から順に、部分集合、要素が集合に属することを表す記号、直積です。日本の高校では、部分集合を ⊂ で表すのがふつうです。

  • f′:関数 f の導関数を表します(正確には、右上の「′」が微分を表します)。

  • ∧ , ∨ , ⇒ , ⇔ , ¬:命題論理で使う記号です。左から順に、「かつ」(論理積)、「または」(論理和)、「ならば」、同値、否定です。日本の高校では、否定を文字の上の横線で表すことが多いです。

  • ∑i=1nai:和の記号(シグマ)で、数列 ai の項の和を表します。少し怖そうな記号ですが、難しいことは何もありません。i = 1 から始めて、数列 ai の値を順に足していきます。そのたびに変数 i の値を1ずつ増やし、i が上に書いた数、つまり n に等しくなるまで続けます。こうして数列の項を順に足すことになります。

    ∑i=1nai=a1+a2+…+an

    例えば、数列 ai = i、つまり数列 1, 2, 3, … があるとします。初めの5項の和はどう書けばよいでしょうか。

    ∑i=15ai=1+2+3+4+5=15

  • ∏i=1nai:総乗の記号(パイ)です。シグマと同じしくみですが、中で行う計算が足し算ではなくかけ算です。総乗は数列の項の積を表します(シグマは和を表します)。前の数列 ai = i の初めの5項の積は、次のように書けます。

    ∏i=15ai=1⋅2⋅3⋅4⋅5=120