三角形のかき方
三角形は、3つの辺をもつ多角形です。辺は小文字で、ふつう a, b, c と表します。三角形には頂点も3つあり、大文字で、ふつう A, B, C と表します。辺 a は線分 BC、辺 b は線分 AC、辺 c は線分 AB にあたります。辺 a はいつも頂点 A の向かいにあり、ほかの辺も同じです。
3つの辺がわかっているとき
3つの辺の長さがすべてわかっていれば、三角形をかくのはとても簡単です。辺の1つ、たとえば AB を選び、線分としてかきます。次に、3つ目の点がどこにあるかを求めます。これは簡単で、コンパスの針を点 B にさし、辺 BC の長さ、たとえば5 cmを半径とする円をかきます。これで、点 B から5 cmはなれた点 C がありうる場所がわかります。次に、辺 AC と点 A についても同じことをします。これで2つの円ができ、その交点が、頂点 A からも点 B からも決められた長さだけはなれた点です。
2つの辺と高さがわかっているとき
三角形のどの辺にも高さがあります。高さは、向かいの頂点からその辺に引いた垂線として定義されます。垂線が辺と交わらないときは、垂線と交わるところまで辺を延長します。高さの基本的な性質は、対応する辺に垂直であることです。このことは計算問題でよく使われます。三平方の定理が使えるからです。辺 c への高さは、ふつう小文字 h に、その高さが対応する辺の名前を添え字としてつけて表します。この場合は hc です。垂線の足(辺と垂線の交点)も同じように表し、小文字の h のかわりに大文字の P を書きます。Pc です。
高さは頂点 C から引きました。高さのもう一方の端点は、向かいの辺 AB(つまり辺 c)の上にあり、線分 CPc は辺 c に垂直です。点 Pc を垂線の足といい、辺 c を底辺といいます。垂線の足には、ふつう文字 P に、高さを引いた頂点を表す添え字をつけて名前をつけます。この場合は頂点 C です。
高さは簡単にかけます。定規を使い、辺 c に垂直な直線を、点 C を通るように引けばよいのです。それだけです。
高さは、三角形のどの頂点からでも引けます。3本の高さは1つの点で交わり、この点を垂心といいます。垂心は三角形の内部にあることもあれば、そうでないこともあります。鋭角三角形では、垂心は三角形の内部にあります。
2つの辺と中線がわかっているとき
どの三角形にも、高さのほかに3本の中線があります。中線は、頂点と向かいの辺の中点を結ぶ線分です。3本の中線は1つの点で交わり、この点を重心といいます。重心は、中線をいつも2:1の比に分けます。つまり、中線の重心の手前の部分は、重心の先の部分の2倍か半分の長さです。中線は小文字 m に、その中線が対応する辺の添え字をつけて表します。重心は、ふつう大文字 G で表します。
2つの辺と、そのどちらかの辺への中線がわかっていれば、三角形はとても簡単にかけます。やはり辺 AB をかくことから始め、2つの円をかいて点 C の位置を求めます。1つ目の円は点 B(AC の長さがわかっているなら A)を中心とし、2つ目の円は辺 AB の中点を中心とします。2つの円が交わる点が、求める点 C です。手順は最初の場合と同じで、三角形 ABC のかわりに、まず三角形 McBC をかいて頂点 C を求めるだけです。
2つの辺と別の中線がわかっているとき
まず、どんな図になるはずかを見てみましょう。
赤で示したものがわかっていて、それをもとに三角形全体をかきます。手順は次のとおりです。この三角形に図形をつけ足して四角形にし、その四角形をもとに残りをかきます。次の図ではっきりわかります(BD の長さは mb の長さの2倍であることを思い出しましょう)。
この四角形は簡単にかけます。まず、三角形 ABD をかきます。辺 AB の長さはわかっていて、辺 BD の長さは 2mb、AD の長さは BC の長さと同じです。点 C を求めるには、線分 BD の中点 Mb を求め、半直線 AMb を引いて、AC の長さを 2AMb にする方法があります。もう1つの方法は、辺 AB に平行な直線を引くことで、点 C はこの直線の上にあり、点 D から |AB| だけはなれています。
章: 三角形, 三角形の高さ, 三角形の中線, 三角形の外接円と内接円, 直角三角形, 三角形のかき方, 三角形の合同, 三角形の相似, 三角形の面積, 三平方の定理