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三角形の中線

三角形の中線は、三角形の頂点と、向かいの辺の中点を結ぶ線分です。三角形には中線が3本あり、その交点が三角形の重心です。

例

中線をかき入れた次の三角形を見てみましょう。 中線(赤)と重心(緑)をかき入れた三角形 それぞれの中線を赤で示しています。三角形の高さと同じように、ここでも中線を小文字 m に、その中線がどの辺とどの頂点に対応するかを表す添え字をつけて表します。頂点 A の向かいには辺 a があるので、中線の名前は ma になります。

中線は、三角形を面積の等しい2つの三角形に分けます。三角形の高さとちがって、中線はどの種類の三角形でも同じようにかけます。

線分の中点

3つの点 Ma、Mb、Mc は、それぞれの辺、つまりそれぞれの線分の中点を表しています。中点は、コンパスと定規を使って作図で求められます。たとえば辺 AB の中点は、頂点 A と B を中心として、同じ大きさの2つの円をかいて求めます。円の半径は線分 AB の長さの半分より大きくなければなりませんが、2つの円で半径は同じにしなければなりません。半径は目分量で決めるか、辺 AB の長さを半径とする円をかきます。2つの円は2点で交わります。この2点を線分で結び、その線分が辺 AB と交わるところが、辺 AB の中点です。

線分 AB の中点

図では、三角形の重心を緑で示しています。重心は、三角形のいわば中心にあたる点です。

重心

3本の中線は、いつも1つの点で交わります。これで、正しく作図できたかどうかがわかります。どこか別のところで交わっていたら、作図が不正確だったか、まったくまちがっていたかです。重心は、三角形の外にあることもある垂心とちがって、いつも三角形の内部にあります。

重心は、三角形のいわば中心です。三角形を鉛筆の先で支えたいなら、三角形が落ちないように、重心の真下に鉛筆を当てればよいのです。

また、重心はそれぞれの中線を2:1の比に分けます。つまり、中線の長さの3分の2が重心の一方の側に、残りの3分の1がもう一方の側にあります。中線の長いほうの部分は、いつも三角形の「頂点の側」にあります。逆に「辺の側」が短い部分です。図を見てみましょう。

中線が3分の2と3分の1に分けられるようす

線分 AG(青い線分)の長さは、線分 GMa(緑の線分)の長さの2倍です。また、線分 AD、DG、GMa は同じ長さです。ほかの中線も同じです。

中点を結ぶ線分

中点を結ぶ線分とは、三角形の2つの辺の中点を両端とする線分です。図を見てみましょう。

中点を結ぶ線分をかき入れた三角形

点 Ma、Mb、Mc は辺の中点で、中線のときと同じです。中点を結ぶ線分をつくるには、これらの点を2つずつ線分で結ぶだけです。中点を結ぶ線分は、文字 s に向かいの頂点を表す添え字をつけて表します。こうしてできる三角形を、中点三角形といいます。おもしろいことに、この中点三角形の重心は、もとの三角形の重心と同じです。この例では点 G です。

中線の長さの計算

中線の長さは、中線定理(アポロニウスの定理)を使って計算できます。a、b、c をそれぞれの辺の長さ、同じように ma、mb、mc を中線の長さとすると、次のようになります。

ma=2b2+2c2−a24mb=2a2+2c2−b24mc=2a2+2b2−c24

章: 三角形, 三角形の高さ, 三角形の中線, 三角形の外接円と内接円, 直角三角形, 三角形のかき方, 三角形の合同, 三角形の相似, 三角形の面積, 三平方の定理