和集合・共通部分・差集合・補集合
集合どうしでは、いろいろな演算ができます。最も基本的なものは、和集合、共通部分、差集合、補集合です。
和集合
和集合は記号 ∪ で表し、集合 A と B の和集合は、ふつう A ∪ B と書きます。集合 A と B の和集合は、集合 A のすべての要素と、集合 B のすべての要素を含む新しい集合です。定義は次のとおりです。
例:2つの集合 A = {1, 3, 5, 7} と B = {2, 4, 6} を考えます。和集合は A ∪ B = {1, 2, 3, 4, 5, 6, 7} です。できた集合は、両方の集合の要素を含んでいます。
次の例です。A = {1, 2, 3}、B = {2, 3, 4} とします。和集合は A ∪ B = {1, 2, 3, 4} です。集合は同じ要素を2回以上含まないので、要素 2 と 3 はできた集合に2回は現れません。
そのほかの性質:
- A ∪ A = A:同じ集合どうしの和集合は、またその集合になります。
- A ∪ B = B ∪ A:和集合は交換法則を満たし、順番は関係ありません。
- A ∪ ∅ = A:空集合は要素を1つも含まないので、加わる要素がありません。
共通部分
2つの集合 A と B の共通部分は、2つの集合に共通する要素を含む新しい集合です。もっと正確に言うと、A に属し、しかも B にも属する要素からなる集合です。共通部分は記号 ∩ で表します。定義は次のとおりです。
例:A = {1, 3, 5, 7, 9}、B = {4, 5, 6, 7} とします。共通部分は A ∩ B = {5, 7} です。次の例です。A = {a, b, c, d, e}、B = {f, g, h, i, j} とします。共通部分は A ∩ B = ∅ です。これらの集合には共通の要素がないので、共通部分は空集合になります。
そのほかの性質:
- A ∩ A = A:同じ集合どうしの共通部分は、またその集合になります。
- A ∩ B = B ∩ A:共通部分は交換法則を満たし、順番は関係ありません。
- A ∩ ∅ = ∅:空集合は要素を1つも含まないので、集合 A と共通の要素ももちろんありません。
差集合
差集合は、ふつうのマイナスの記号 − で表すこともありますが、斜めのマイナスのような記号 ∖ を使うほうがよいでしょう。2つの集合 A と B の差集合とは、A の要素のうち、B に属さないものをすべて集めた集合です。かんたんに言えば、1つ目の集合と2つ目の集合に共通する要素を調べて、それを1つ目の集合からとりのぞけばよいのです。定義は次のとおりです。
例:A = {1, 2, 3, 4, 5}、B = {4, 5, 6, 7, 8} とします。差集合は A ∖ B = {1, 2, 3} です。集合 A から、集合 B にある要素をすべてとりのぞいたときに残る要素です。次の例です。A = {a, b, d, e} とします。差集合は A ∖ A = ∅ です。
そのほかの性質:
- A ∖ A = ∅:同じ数どうしをひくと0になる(たとえば 5 − 5 = 0)のと同じように、同じ集合どうしの差集合は空集合になります。
- A ∖ ∅ = A:空集合は要素を1つも含まないので、集合 A からとりのぞく要素がありません。
補集合
集合 A の補集合は、いろいろな書き方をしますが、おそらく最も多いのはダッシュをつけた A' か、上線をつけた
全体集合を M = {1, 2, 3, …, 9, 10} とすると、集合 A = {2, 4, 6, 8, 10} の M における補集合は
全体集合を整数とすると、偶数の集合の補集合は奇数の集合です。集合 A = {1, 2, 3, 4} の補集合は
補集合を2回とると、もとの集合にもどります。たとえば整数では、偶数の補集合は奇数で、奇数の補集合はまた偶数です。したがって、
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