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有理数

有理数とは、2つの整数の商、つまり分数の形で書けるすべての数です。

定義

有理数とは、次の形で書けるすべての数です。

aba,b∈Z,b≠0.

2つの数がどちらも整数でなければならない、という条件には、はっきりした意味があります。有理数でない数、たとえば π を選んで、次のような分数を作ったとします。

π1,

これは、有理数でない数 π そのものです。そのため、分母も分子も整数でなければならないのです。また、0で割ることはできないので、分母は0であってはいけません。

有理数は、有限小数で表せる数と、無限に続く小数のうち、ある部分がくり返し現れる数である、ということもできます。有理数の例を、まず分数の形で挙げます。

13,−59,1329,41,…

次に、小数の形の例です。0.1、−5、14.5、−12.93、0.33333…=0,3―

循環小数の書き方

前の例に、0.3333…という数がありました。これは分数 1/3 を小数で表したもので、無限に続く小数です。それでも、くり返しのある小数なので、有理数です。くり返しのある小数とは、ある位から先で、同じ数字のならびがずっとくり返される小数のことです。この例では、3が限りなくくり返されていました。また、たとえば数字のならび 12345 が限りなくくり返されてもかまいません。それでも循環小数であり、有理数です。

つまり、有限小数で表せる数はすべて有理数です。無限に続く小数で、ある部分がくり返し現れる数も、すべて有理数です。無限に続く小数で、どの部分もくり返し現れない数は、無理数です。

くり返す部分(循環節)は、点を3つ打つか、ふつうは、くり返す数字の上に線を引いて表します。(日本の教科書では、循環節の最初と最後の数字の上に点をつけて表します。)くり返すのは1つの数字でも、いくつかの数字でもかまいません。くり返しは、小数部分の最初から始まっても、途中から始まってもかまいません。次の数は、どれも循環小数です。

7/3=2.33333…=2,3―16/11=1.454545…=1,45―11/6=1.833333…=1.83―

記号と意味

有理数は、曲線部分を二重にした文字Qを使って ℚ と書きます。英語の quotient(商)からきています。商とは、割り算の結果のことです。

有理数は、全体のうちの一部を表すのに使います。たとえば「半分」や「10分の1」です。これらは全体の一部を表す言葉で、有理数では商 1/2 や 1/10 で表せます。このとき、分母が全体、分子が全体のうちの一部を表します。分子が分母に等しいときは、全体がそろっていることになります。このような量は、よくパーセントに直して表します。

性質

  1. 有理数の集合は、無限の可算集合です。
  • 有理数は、たし算、ひき算、かけ算、割り算について閉じています。つまり、2つの有理数で割り算をしても、また有理数になります。割り算について閉じていなかった整数とは、ここがちがいます。
  • 有理数は、すべての整数を含んでいます。すべての有理数は分数 a/b で表せるので、b = 1 とすれば、割り算 a/1 = a によって、いつも分子の値がそのまま得られます。
  • a < b となる2つの有理数 a と b をとると、a < q < b となる別の有理数 q がかならず見つかります。言いかえると、どんな2つの有理数の間にも、別の有理数がかならずあります。さらに強いことも成り立ちます。どんな2つの有理数の間にも、ほかの有理数が無数にあるのです。
  • 前の性質から、最小の正の有理数(や最大の負の有理数)は存在しないことがわかります。これは背理法で示せます。m を最小の正の有理数とします。すると、それより小さい正の有理数は見つからないはずです。ところが、0 < m なので、前の性質から、0 < s < m となる有理数 s が存在します。0より大きく(正で)、m より小さい数 s が見つかりました。これは、m が最小の正の有理数であることに矛盾します。

有理数の計算

基本的な計算は、すべて分数の記事で説明しています。

循環小数を分数に直す方法

循環小数は有理数でもあるので、分数に直せるはずです。その手順を見てみましょう。はじめに、循環小数 a = 0.333…を考えます。次のように書きます。

a=0,3―

ここで、同値変形をして、両辺に10をかけます。

10a=3,3―

右辺では、3が一の位に移り、小数点のあとにはやはり3が無限に続いています。ここで両辺から a、つまり 0.333…をひきます。こうして、無限に続く部分を消すことができます。

9a=3

この段階は少しわかりにくかったかもしれないので、くわしく書いておきます。次の計算をしたのです。

3,333…−0,333…=3,000…

方程式 9a = 3 の両辺を9で割れば、答えが得られます。

a=39=13

もう1つ例を見てみましょう。

a=1.454545…=1,45―

今度は、手順が少しちがいます。前の例では、循環節の長さは1でした。正確に言えば、同じ数字がくり返されているだけなので、循環節の長さはいくつにとってもよかったのですが、長さ1にしておくと都合がよかったのです。今度は、循環節の長さが2です。長さを6にとることもできますが、それでは都合がよくありません。循環節をちょうど丸ごとひくために、今度は100をかけます。

100a=145,45―

a を1つひきます。

99a=144

そして 99 で割ります。

a=14499=1611

電卓でこの割り算をしてみると、ちょうど 1.454545…になります。ただし、ほとんどの電卓は端数を丸めて表示するので、少しちがう結果が表示されるかもしれません。

0.9999…のふしぎ

最後に、おもしろい例として、次の循環小数を分数に直してみましょう。

a=0,9―

10をかけます。

10a=9,9―

a をひきます。

9a=9

9で割ります。

a=1

1になりました。つまり、0.999…は 1 に等しいのです。

参考リンク