割引からさらに割引
お店のセールで、「20%引き、さらに割引後の価格から20%引き」とうたっています。いくら得になるでしょうか。2つの割引を足して40%引きだと言いたくなりますが、実際には36%引きにしかなりません。
なぜ40%にならないのか
ポイントは、2回目の割引を何をもとに計算するかです。2回目の割引は、割引後の価格をもとに計算します。もとの価格ではありません。あとはふつうのパーセントの計算です。
10,000円のジャケットで考えてみましょう。まず、1回目の割引、つまり10,000円の20%を求めます。
これをもとの価格から引きます。
1回目の割引のあと、ジャケットは8,000円です。2回目の割引は、この新しい価格の20%です。
これも引きます。
ジャケットは6,400円になります。全部で
円安くなりました。これはもとの10,000円のちょうど36%です。2回目の割引は、より小さい金額をもとに計算したので、2,000円ではなく1,600円しか安くなりませんでした。
かけ算で速く計算する
引き算はまったくしなくてもかまいません。20%引きなら、価格の100%から20%を引いた80%を払うので、価格に0.8をかければよいのです。2回目の割引は、さらにもう一度0.8をかけることになります。
もとの価格の64%を払うので、割引は100%から64%を引いた36%です。ジャケットの場合は次のようになります。
青は支払う価格、赤は最後の割引で安くなった分、灰色の破線は1回目の割引ですでになくなった分です。3本目の帯の赤い部分は、2本目より小さくなっています。どちらも20%引きなのに、短い帯をもとに計算しているからです。
もとの価格 c と、パーセントで表した任意の割引 a、b について、2回の割引後の価格は次のようになります。
おもしろいことに、割引の順序は関係ありません。10%引きのあと30%引きでも、30%引きのあと10%引きでも、価格は同じです。かけ算では交換法則が成り立つからです。お店がどんなに気前のよさをアピールしても、順序で得をすることはありません。
値上げと値下げ
20%値上げしてから20%値下げした商品にも、同じような落とし穴があります。値段がもとにもどったように思えます。ところが、20%の値上げは1.2をかけることなので、次のようになります。
価格はもとの96%になり、4%安くなります。50,000円のスマートフォンは、値上げ後に
円になります。20%引きは60,000円をもとに計算します。
スマートフォンは最終的に48,000円で、最初より2,000円安くなりました。本を使った同じような例は、パーセントの記事にあります。
計算ツール
2回割引したあとの価格は、計算ツールでも求められます。割引はパーセントで入力してください。