文字係数の1次方程式
1次方程式には、定数(パラメータ)が含まれることがあります。この定数はふつう p で表します。目標は、1次方程式の解が定数 p の値によってどう変わるかを調べること(解の場合分け)です。
身近な例
次の問題を解いてみましょう。『たぬきと雪女が森からかっぱを追い出した話』という小説を書き上げたので、本として印刷して知り合いに配りたいとします。使えるお金は10万円です。料金は次のとおりです。1冊あたりの基本料金が1,000円で、さらに1ページにつき10円かかります。小説は300ページです。本は何冊つくれるでしょうか。
これは1次方程式の簡単な問題です。方程式は次のようにつくります。未知数 x は、つくれる本の冊数を表します。すると、方程式 (1000 + 3000)x = 100,000 が得られます。かっこの中の式は本1冊の値段を表します(1000は基本料金、3000はページ代です)。方程式を解きます。
本は25冊つくれます。しかし、1ページの料金は高すぎるので、8 円に下げてもらいましょう。今度は何冊つくれるでしょうか。もう一度方程式 (1000 + 300 · 8)x = 100,000 をつくって解きます。
本は29冊つくれます。正直なところ、これだけページが多いなら、1ページあたりもう少し値引きしてもらえるかもしれません。たとえば 6 円ではどうでしょう。よさそうです。では、何冊つくれるか計算しましょう。
このように値段を変えていけば、いつまでも計算が続くことは想像がつくでしょう。これをすっきり解決するにはどうすればよいでしょうか。定数、つまり本の1ページあたりの値段を表す別の文字を使います。この定数を文字 p で表します。範囲を決めるために、1ページの値段は区間 (0, 10] 円の中にあるとしましょう。無料で印刷してくれるところはないので0円にはならず、1ページ10円より高いところもないとします。すると、方程式はどうなるでしょうか。
これは値段の考え方と合っています。1,000円の基本料金は変わりません。300ページ分の料金は、1ページの値段、つまり定数 p に300をかけて求めます。方程式の解はどうなるでしょうか。x について解く必要があります。
これで終わりです。あとは1ページの値段がわかれば、本が何冊つくれるかを計算できます。1ページの値段が2円なら、p に代入すると次のようになります。
本は62冊つくれます。これならなかなかよいですね。
文字係数の1次方程式の一般的な解き方
一般の文字係数の方程式では、方程式の解が定数の値によってどう変わるかを調べます。そのような方程式の例を見てみましょう。
まず、この方程式から未知数 x が消えるのはどんなときかを調べます。それは、未知数の係数が0のとき、つまり 2p + 2 = 0 のときです。この方程式を解くと、次のようになります。
定数 p がマイナス1のとき、方程式から未知数 x が消え、方程式は −6 = 0 の形になります。この方程式は解をもちません。
次に、p ≠ − 1 の場合の解を求めます。解き方はふつうと同じですが、「具体的な」解ではなく、定数 p によって決まる解が得られます。x について解きます。
これが最終的な答えです。p ≠ − 1 のとき、方程式の解は 3/(p + 1) です。
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