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分母に未知数を含む1次方程式

分数を含み、分母に変数がある1次方程式も、ふつうの1次方程式と同じように解きます。まず方程式を基本の形に直し、あとはいつもどおりに解きます。

分母が x だけの場合

このような方程式でいちばん簡単なのは、分母が変数 x だけの場合です。たとえば次の方程式です。

10x=5

方程式の解が x = 2 になることは明らかです。では、一般的にはどのように解けばよいでしょうか。分母にある変数は扱いにくいので、なくしてしまいたいところです。問題は、分母の x をどうやってなくすかです。

次の形の分数を考えてみましょう。

ab

この分数を分数でなくすには、何をかければよいでしょうか。つまり、割り算の形ではなく、かけ算の形にするには何をかければよいでしょうか。3分の1(つまり 1/3)に何をかければ整数になるでしょうか。分数の分母(またはその倍数)をかければよいのです。分数に分母をかけると、次の分数が得られます。

a⋅bb

ここで元の分母 b を約分すると、a だけが残ります。3分の1の例に戻りましょう。3分の1に3をかけると何になるでしょうか。3分の3、つまり1です。6分の1に6をかけるとどうでしょうか。6分の6、つまり1です。7分の3に7をかけるとどうでしょうか。3 · 7 = 21 で7分の21、つまり3になります。

そこで、方程式の両辺に分母である x をかけます。そうしてもよいのでしょうか。かまいません。x は実数の中から考えるので、0になる可能性もあります。しかし、x は分数の分母にあり、0で割ることはできないので、方程式の条件から x ≠ 0 です。したがって、これは方程式の同値変形です。

では、両辺に x をかけてみましょう。どうなるでしょうか。

10x=5x⋅10x=x⋅510xx=5x

次はどうすればよいでしょうか。分数の x を約分できます。分数 10x/x からは 10 だけが残り、10 = 5x になります。ここまで来れば、あとはふつうの1次方程式として解けます。解は x = 2 です。

これは直感的にも納得できるでしょうか。できます。次の形の方程式を考えてみましょう。

x2=10

この1次方程式は何を表しているでしょうか。x の半分が10に等しいということです。それなら、x の半分を2つ合わせたものは20に等しいはずです。そして、x の半分2つ分は x 1つ分に等しくなります。

分母が複雑な式の場合

分母には、x だけでなくもっと複雑な式が入ることもあります。次の方程式を解きなさい。

5x+2=10

この方程式はどう解けばよいでしょうか。分数はどうやってなくせばよいでしょうか。前の節では、両辺に分母をかけて分数をなくしました(分母をはらう)。今回もまったく同じようにします。両辺に x + 2 をかけると、式 x + 2 が分数の分子に入り、きれいに約分できます。かけてみましょう。

5x+2=10/⋅(x+2)(x+2)⋅5x+2=(x+2)⋅10(x+2)⋅5x+2=10⋅(x+2)/約分 (x+2)5=10⋅(x+2)

これで分数がなくなりました。あとはかっこをはずして、解を計算するだけです。

−10x−15=0x=−32

分数が複数ある場合

方程式に分数が複数あり、分母に式が複数あると、かなり複雑になることがあります。例を見てみましょう。

5x+2=4x+3

この方程式はどう解けばよいでしょうか。分母の異なる分数が2つあり、どちらにも変数 x が入っています。両辺に両方の分母をかければ解けます。1つずつかけても、まとめてかけてもかまいません。1つずつかける場合、計算は次のようになります。まず (x + 2) をかけます。

5x+2=4x+3/⋅(x+2)5(x+2)x+2=4(x+2)x+35=4(x+2)x+3

続いて、両辺にもう一つの分母 (x + 3) をかけます。

5=4(x+2)x+3/⋅(x+3)5(x+3)=4(x+2)(x+3)x+35(x+3)=4(x+2)

あとはかっこをはずして、解を計算するだけです。

5x+15=4x+8x=−7

もう一つの方法は、両辺に両方の分母を同時にかけることです。つまり、最初に両辺に (x + 2)(x + 3) をかけます。すると次のようになります。

5x+2=4x+3/⋅(x+2)(x+3)5(x+2)(x+3)x+2=4(x+2)(x+3)x+35(x+3)=4(x+2)

こうしてよいのは、両辺に a をかけてから b をかけることは、a · b をかけることと同じだからです。

章: 1次方程式, 分母に未知数を含む1次方程式, 絶対値を含む1次方程式, 文字係数の1次方程式