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住宅ローンの利息の計算のしかた

住宅ローンは、不動産、たとえば家やマンションを買いたいときに借りるお金です。住宅ローンで払うことになる利息がどのように計算されるのかを見ていきましょう。

年利と月ごとの利息

どの住宅ローンにも年利が決まっていて、パーセントで表されます。たとえば「年利3%」の住宅ローンの広告を見かけることがあるでしょう。単純化して大まかにいえば、1,000万円を借りると、1年で3%、つまり30万円の利息を払うことになります。

しかし実際には、ちょうど30万円ではなく、それより少なく払うことになります。ふつうの住宅ローンは毎月返済し、銀行も同じく毎月利息を計算するからです。銀行は1年分の利息を1回計算するかわりに、毎月の利息を12回計算します。そして、住宅ローンを少しずつ返していくので、銀行に借りている金額はどんどん少なくなり、利息もどんどん小さくなっていきます。例で見てみましょう。1,000万円を年利3%、毎月の返済額10万円で借りたとします。最初の利息はいくらになるでしょうか。

1回目の返済

まず、月ごとの利率(月利)を計算します。年利を12で割って求めます。

3%12=0.25%

つまり、月ごとの利率は0.25%です。最初の1か月は、銀行にまだ借りている金額、つまり1,000万円の0.25%を払います。0.25%は次のように計算します。

10 000 000⋅0.25%=10 000 000⋅0.0025=25000

最初の1か月に、利息として銀行に25,000円払います。毎月の返済額は10万円なので、1か月後に銀行に借りている金額は次のとおりです。

10 000 000+25000−100 000=9 925 000

9,925,000円です。つまり1回目の返済のうち、25,000円は利息にあてられ、75,000円で銀行からの借金を減らしたことになります。この75,000円を元金返済分といいます。

2回目の返済

2か月目はどうなるでしょうか。月ごとの利率は変わらず、0.25%のままです。変わるのは、住宅ローンで銀行に借りている金額です。この金額を元金といい、1か月後には9,925,000円になっています。2か月目の利息も、1か月目とまったく同じように計算します。ただし、1,000万円のかわりに9,925,000円を使います。つまり、9,925,000円の0.25%を計算します。

9 925 000⋅0.25%=9 925 000⋅0.0025=24812.5

したがって、2か月目の利息は、25,000円ではなく24,812.5円だけです。借金の一部をすでに返して、元金が小さくなっているからです。元金返済分は次のようになります。

100 000−24812.5=75187.5

2か月目には、1か月目より多くの元金を返したことになり、借りている金額は全部で次の額まで減ります。

9 925 000−75187.5=9 849 812.5

その後の返済

その後の返済も、借金が0になるまで、いつも同じように計算します。3か月目の利息は次のように計算します。

9 849 812.5⋅0.25%=9 849 812.5⋅0.0025=24624.53

利息24,624.53円は前の月より少し小さく、逆に元金返済分75,375.47円は少し大きくなっています。毎月、利息はどんどん小さくなります。銀行に借りている金額がどんどん減っていくからです。そして、元金返済分はどんどん大きくなります。時間がたつにつれ、利息に払うお金が減り、元金の返済にまわるお金が増えるので、住宅ローンはどんどん速く返せるようになるのです。

年利は3%でしたが、利息として30万円を払うわけではないことがわかります。利息で30万円払うには、毎月25,000円の利息を払う必要があります。しかし実際には、毎月の利息はどんどん少なくなるので、払う利息の合計は30万円より少なくなります。

住宅ローンの利息の計算について知っておくべきことは、実質的にはこれで全部です。ただ、ほかにもいくつかおもしろい点を見ておきましょう。

月ごとの利率の正確な計算

はじめに、月ごとの利率は次のように計算すると説明しました。

3%12=0.25%

銀行はこの計算を使っていますが、数学的には正しくありません。銀行がこの方法を使うのは、どちらかというと歴史的な理由からで、12で割るほうが、数学的に正しい方法より単純だからです。月ごとの利率を計算するとき、何を求めたいのでしょうか。1,000万円の年利3%は、1年で利息として30万円払うことを表しています。借り手が1年間まったく返済せず、利息だけがついていくと考えてみましょう。12か月後に、利息がちょうど30万円になるには、月ごとの利率をいくらにすればよいでしょうか。「12で割る」方法では、30万円より多くなってしまうのです。実際に計算してみましょう。

まず、元金に利息を簡単に加える方法を見ておきます。月ごとの利率を0.25%と計算したなら、利息を加えたあとの金額は、元金に1.0025をかければ得られます。

10 000 000⋅1.0025=10 025 000

返済しないまま2か月たつと、元金は次のようになります。

10 000 000⋅1.0025⋅1.0025=10 050 062.5

つまり、利息をつけたい回数だけ、1,000万円に 1.0025 をかけるのです。これを簡単にするために、累乗を使えます。

1.0025⋅1.0025=1.00252

なので、次のように書けます。

10 000 000⋅1.00252=10 050 062.5

知りたいのは、12か月後の金額です。

10 000 000⋅1.002512=10 304 160

12か月後には、元金は10,304,160円になり、本来より4,160円多くなります。まあ…正直なところ、それほど大きな差ではありませんが、正しい結果でないことはたしかです。どうすれば直せるでしょうか。

住宅ローンの年利にもどりましょう。元金に年利3%の利息を1回つけたらいくらになるかは、次のように書けます。

10 000 000⋅1.03=10 300 000

ここで、1.03を12個の同じ数の積に分解したいのです。そうすれば、1に月ごとの利率をたした数が得られます。つまり、同じ数を12個かけて1.03になるのは、どんな数でしょうか。それは1.03の12乗根です。

1.03=1.0312⋅1.0312⋅…⋅1.0312

1.03の12乗根を計算すると、1.0024662…となります。12で割る方法で得た1.0025と比べて、たいしたちがいではありません。しかし、こちらが正しい結果です。月ごとの利率を 1.0312−1 にすれば、1年間返済しなかったときに、元金はちょうど3%増えます。

日ごとの利息と月ごとの利息

おもしろいことに、住宅ローンの月ごとの利息を少しちがう方法で計算する銀行もあります。年利を12で割って月ごとの利息を計算すると、もう1つの副作用があります。月によって長さがちがうのに、どの月も同じ利率になってしまうのです。2月も7月も同じ利率です。どうすればよいでしょうか。年利を360で割って日ごとの利率を出し、それにその月の日数をかける、という方法をとる銀行もあります。

なぜ365や366ではなく360で割るのでしょうか。これもまた、計算が簡単になるからです。

章: 利息, 複利, インフレ, 月ごとの利息, 住宅ローンの利息の計算のしかた