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正多角形の面積

正多角形とは、すべての辺の長さが等しく、すべての角の大きさも等しい多角形のことです。例えば、正方形は正多角形です。次の図は正八角形です。

1辺の長さがわかっているとき、この正八角形の面積はどうすれば求められるでしょうか。例として、1辺の長さを a = 10 とします。まず、正八角形を8つの合同な三角形に分けます。

これで計算が簡単になりました。三角形1つの面積を求めて8倍すれば、正八角形全体の面積になります。これらの三角形について、何がわかるでしょうか。どれも二等辺三角形です。中心 O から出る2辺の長さは等しく、正八角形の辺の長さはそれとは異なります(すべての辺の長さが等しい三角形、つまり正三角形に分けられるのは正六角形だけです)。例えば、辺 FO と辺 EO の長さは等しくなります。

中心 O のまわりにできる角(中心角)、例えば ∠FOE は何度でしょうか。三角形はどれも合同なので、頂点 O に集まる角はすべて同じ大きさです。また、これらの角をすべてたすと、1回転分の360°になります。したがって、∠FOE の大きさは、360°を角の個数、つまり三角形の個数で割ったものです。

∠FOE=360∘8=45∘

三角形の内角の和は 180° で、この三角形は二等辺三角形なので、残りの2つの角はどちらも 67.5° です。

では、この二等辺三角形の面積はどう求めればよいでしょうか。辺 FE の長さは問題からわかっていて、|FE| = 10 です。ここで、点 O を通る三角形の高さをかき入れます。

この線分 OPs によって、三角形は2つの小さな三角形に分かれます。2つは合同で、左右が反対になっているだけです。そこで、三角形を少し並べかえてみましょう。三角形 FOPs を移動して、長方形ができるようにします。

この長方形 OF1EPs の面積は、もとの三角形 FOE の面積と等しくなります。長方形の面積は、2辺の長さの積で求められます。

S◻=|hs|⋅|PsE|

線分 PsE の長さはわかっています。辺 FE の長さの半分で、この辺は正八角形の1辺なので、問題の条件から |FE| = 10 です。したがって、線分 PsE の長さは |PsE| = 5 です。難しいのは高さ hs のほうです。三角形 PsOE は直角三角形なので、三角比が使えます。角 ∠PsOE の大きさは、もとの角 ∠FOE の半分です。

∠PsOE=∠FOE2=45∘2=22.5∘

ここで、コタンジェントを使います。角のコタンジェントは、隣辺の長さを対辺の長さで割った値です(コタンジェントはタンジェントの逆数で、日本の高校では扱いません)。わかりやすくするため、角 ∠PsOE をギリシャ文字 α で表します。

cot⁡α=|hs||PsE|

|hs| を求めるには、この式の両辺に |PsE| をかけます。

cot⁡α⋅|PsE|=|hs|

これで高さを表す式が得られました。値を代入します。

|hs|=cot⁡α⋅|PsE|≒2.414⋅5≒12

高さはおよそ12です。長方形の面積、つまり三角形の面積は次の式で表せます。

S△=|hs|⋅|PsE|

値を代入すると、次のようになります。

S△=12⋅5=60

三角形1つの面積はおよそ60です。三角形は全部で8つあるので、1辺の長さが a = 10 の正八角形の面積はおよそ次のとおりです。

S=8⋅S△=480

ここから公式を導くにはどうすればよいでしょうか。一般の正 n 角形の1辺の長さを a とすると、次の式が成り立ちます。

S=n⋅S△

あとは S△ を一般の式で表すだけです。

S△=a2⋅cot⁡α⋅a2

角 α は、中心 O のまわりの角(中心角)の半分なので、次のようになります。

α=360∘n⋅2=180∘n

これを代入します。

S△=a2⋅cot⁡180∘n⋅a2

少し整理すると、次のようになります。

S△=14⋅a2⋅cot⁡180∘n

最後に、この値に正 n 角形の辺の数をかければ、求める公式が得られます。

S=14⋅a2⋅n⋅cot⁡180∘n

計算ツール:正 n 角形の面積

章: 正方形の面積, 長方形の面積, 円の面積, おうぎ形, 台形の面積, 平行四辺形の面積, ひし形の面積, 正多角形の面積, 球の表面積, 立方体の表面積, 直方体の表面積, 円柱の表面積, 円錐の表面積, 角錐の表面積